ほっと一息

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2026.10.26

お天気カレンダー

JA広報通信2026年10月号

気象予報士●檜山靖洋
イラスト:とよだ時

 

未来へ残したい季節の言葉

 

 晩秋から初冬に、風が弱く、穏やかに晴れて、日差しにぬくもりが感じられる日があります。そんな日を「小春日和」と呼びます。冬へ向かう季節に「春」という文字が入っていることに、この言葉の絶妙な感性を感じます。
 気象の面から説明すると、まず冬型の気圧配置になり、木枯らしが吹いて寒くなります。その後、移動性高気圧に覆われて穏やかに晴れると、澄んだ青空の下、日差しがポカポカといっそう暖かく感じられるのです。木枯らしが吹き始めたときに、たまにやってくるポカポカの日差しにありがたさを実感できます。昔の人はそのつかの間の暖かさに、冬が終わり春がやってきたときの感情を重ね合わせたのかもしれません。小春日和という言葉は、季節だけではなく、その日に感じた心のぬくもりを伝えたかったのではないかと想像します。
 陽だまりのぬくもりに春という言葉を重ねた豊かな感性とともに、小春日和という言葉を未来へ残したいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気象予報士・防災士
檜山 靖洋(ひやま やすひろ)
1973年横浜市生まれ。
明治大学政治経済学部政治学科を卒業後、印刷会社に就職。
1999年に気象予報士を取得し気象会社へ転職。
2005年からNHKの気象キャスターに。
朝のニュース番組「おはよう日本」の気象情報に出演中。