ほっと一息

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2026.08.16

資産管理の法律ガイド

JA広報通信2026年8月号

JA全中・JA全国相続相談・資産支援チーム 顧問弁護士●草薙一郎

資産管理の法律ガイド

土地建物の契約 ①売買契約の当事者

 

 土地建物の売買や賃貸などの契約では、5項目のポイントを確認し、契約書に明記されることが大切です。今回は、売買契約の当事者、「誰が誰に」売買などをするのかについて説明します。
 まず、契約書を作成する際には売り主と買い主の特定が必要です。売買ですから、売り主は通常、対象土地建物の所有者ということになります。そのため、売買では売り主は本当に所有者なのかを確認しておく必要があります。
■ 売り主と所有者が異なる場合
 しかし、民法には「他人物売買」という条文があります。民法上は他人の土地建物を売却する売買契約も有効なのです。この場合、売り主は売買の対象物の所有権を所有者から買い主に移転する義務があります。そのため、まずは対象物を所有者から入手して、さらに買い主に所有権を移転するということになります。
■ 売り主が未成年者の場合
 所有者と売り主が同じであっても注意が必要になる場合があります。
 所有者が未成年者であるときや裁判所の成年後見(※)などの審判を受けているときは、所有者が売買契約をしてもその契約は取り消される危険性があります。
 所有者が未成年者の場合は、親権者や未成年後見人、後見人を必要とする成年の場合は後見人が売り主の代理人として売買契約に関与することになります。この場合に、売り主が単独で売買契約をすると、親権者や後見人によってその契約は取り消される可能性がありますので注意しましょう。特に所有者が未成年者の可能性があるときは、売り主の戸籍謄本で未成年かどうか、親権者は誰かを確認しておく必要があります。
 なお、親権者や後見人であっても、売り主本人と利害が対立するときには、代理行為をすることができません。

 

※認知症や障害などにより判断能力が不十分な人に代わり、後見人が財産管理や契約などの法律行為を援助する制度