ほっと一息

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2026.08.10

ごはんをおいしく楽しもう

JA広報通信2026年8月号

米・食味鑑定士/お米ライター●柏木智帆

コシヒカリ系統が人気なのはなぜ?

 

 日本では、私たちが普段食べているうるち米だけでも約300品種が栽培されています。日本のお米の品種は多様であるように感じますが、実際はコシヒカリだけで日本のお米の栽培面積の約3割を占めています。また、うるち米のほとんどがコシヒカリ系統の品種で、全体の約8割を占める上位20品種も全てコシヒカリ系統です(※)。
 コシヒカリが栽培面積トップに躍り出たのが1979年。それから現在まで50年近くにわたって1位を独走しています。青森県から九州まで45都府県で栽培されている珍しい品種でもあります。コシヒカリはなぜこんなに人気があるのでしょうか。
 かつて東では小粒で軟らかい米が好まれ、西では大粒で硬い米が好まれるという違いがあったそうです。コシヒカリの母親は西日本でおいしいお米として広まった「旭」系統の「農林22号」、父親は東日本で良食味米として広まった「陸羽132号」や「亀の尾」系統の「農林1号」です。東の横綱と西の横綱が交配したコシヒカリの誕生によって、東西の両方でその味わいが受け入れられていったといわれます。
 高度経済成長期に突入して消費者がお米に対しておいしさを求めるようになると、コシヒカリは時代も味方に付けて栽培面積を増やしていきました。東西の幅広い地域で田んぼにも食卓にも浸透していったコシヒカリの誕生は、日本のお米の歴史にとって画期的な出来事だったといえるでしょう。
 近年は猛暑の影響で、コシヒカリそのものから高温耐性のある品種などに入れ替わり始めている所もありますが、やはりコシヒカリ系統の人気は健在のようです。
※公益社団法人米穀安定供給確保支援機構「令和6年うるち米の品種別作付割合上位20品種」参照

 

栽培面積トップのコシヒカリ