ほっと一息
2026.07.21
なくそう食品ロス
JA広報通史2026年7月号
食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美
イラスト:出口由加子
キュウリから考える食品ロス
8月31日は「野菜の日」。
家庭で最も捨てられやすい食材は野菜です。中でも、キュウリは最も捨てられている食品第1位になったことがありました(※)。
実家で母がキュウリを使い切るために作っていたのが、ちくわの穴に細長く切ったキュウリを詰めたおつまみでした。夜遅く帰宅した父に「ちくわキュウリ」をつまようじに刺して出していたのを思い出します。
以前読んだ、料理研究家の有元葉子さんの著書「『使いきる。』レシピ 有元葉子の“しまつ”な台所術」(講談社)では、キュウリをカレーに入れて消費する方法や、生のキュウリを大量に刻んでサンドイッチにするレシピが紹介されていました。
また、この本でキュウリを半干しすることを知ってから、夏にキュウリが大量に手に入ったときには干しています。キュウリを斜め輪切りにして竹ざるに並べ、太陽の光に当てて干し、程よく水分が抜けたところで引き上げます。少し塩をかけて塩揉みすると、かみ応えのある干しキュウリができて大満足。かさが減るので「使い切れないかも……」と思っていた量でも、すっかり小さくなります。私は干しキュウリはごま油としょうゆ、砂糖、酢とあえ、少し漬けておいたものを食べるのが好きです。また、きんぴらのように炒めてもおいしいです。
宮崎県の郷土料理として知られる「冷や汁」は、農民が麦飯に生みそをのせ、水をかけて食べていたのが発祥だそうです。すり鉢に、身をほぐした魚と白ごまを入れてすりつぶし、さらにみそを加えて混ぜ、冷たいだし汁に溶き、ちぎった木綿豆腐を入れます。キュウリや大葉、ミョウガなども入れ、ご飯にかけて出来上がり。暑い夏にはぴったりの一品ですね。
野菜をおいしく食べることで食品ロスを減らしていきましょう。
※ハウス食品グループ本社株式会社「第四回食品ロスに関するアンケート調査(2021年9月)」より


食品ロス問題ジャーナリスト
井出 留美(いで るみ)
株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著書多数。


