ほっと一息
2026.05.18
なくそう食品ロス
広報通信5月号
食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美
イラスト:出口由加子
冷蔵庫の日から考える食品ロス
夏至の日(2026年は6月21日)は「冷蔵庫の日」でもあります。梅雨は冷蔵庫が活躍する時期であることから制定されました。ついつい食品を入れっ放しでため込んだままになってしまう冷蔵庫ですが、本来は中の食品を古いものから食べて庫内を循環させ「冷蔵庫を便秘にしない」ことが大事です。また、食品ごとに適切に保存することで長持ちさせることも重要です。
■ 野菜は保存袋を使うと長持ち
家庭で一番食品ロスになりやすいのは野菜です。野菜は、市販の野菜保存袋に入れてから冷蔵保存をすると長持ちします。
私は野菜保存袋の効果について、チンゲンサイを使って1カ月間実験したことがあります。そのまま野菜室で保存したものは干からびてしまいましたが、野菜保存袋に入れてから野菜室で保存したものは、葉が多少黄色くなったものの、根に水分が保たれ、ほぼ全て使い切れるくらいの鮮度を維持できました。
■ チルド室を活用しよう
肉や魚とその加工品(ハムやソーセージ、刺し身や練り物など)、チーズや納豆などの発酵食品は、冷蔵庫のチルド室で保存すると長持ちします。チルド室は一般的に0度付近となっており、食品を凍らせず、かつ発酵や熟成を遅らせることができます。2、3日で食べ切る場合はチルド室、それ以上保存する場合は冷凍庫などと上手に使い分けましょう。
■ その他冷蔵庫活用のポイント
他のポイントは次の通りです。
①買い物前に冷蔵庫の中をチェックして買い物リストを作り、無駄な買い物をしない ②冷蔵庫に入れる量は全体の7割にとどめる ③冷蔵庫の中で食材の「居場所」を決めておく ④賞味期限表示を表にしておく、マスキングテープに期限を書いて貼っておく――。
自然災害などで停電すると、冷蔵保存や冷凍保存のものは駄目になってしまいます。食材を備蓄する場合は、常温保存できるものを優先するのも食品ロス削減のポイントです。

食品ロス問題ジャーナリスト
井出 留美(いで るみ)

株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著書多数。


