ほっと一息
2026.04.13
なくそう食品ロス
JA広報通信2026年3月号
ご食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美
イラスト:出口由加子
ごみゼロの日
東京都・築地本願寺で講演をする機会があり「ごみを減らすには食品ロスを減らすこと」と話しました。食品ロスを含む生ごみは重さの80%以上が水で、重くて燃えにくいからです。多くの自治体では生ごみを他のごみと混ぜて回収しており、膨大なエネルギーと税金をかけて燃やしています。ごみを減らすには、食品ロスを減らす必要があるのです。
ごみ処理事業経費は、年間2兆2912億円(環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和5年度)」より)。これはわれわれが納めた税金で賄われています。
講演の後、ある国立大学の名誉教授が名刺交換に来られました。「国立大学の予算を知っていますか?」と聞かれたので「存じ上げないです」と答えたところ、「先ほどのごみ処理費の半分以下ですよ」とのこと。
調べると、国立大学法人運営費交付金は1兆971億円(令和8年度予算政府原案より)。全国に85ある国立大学の総予算がごみ処理費の半分以下とは驚きました。
同じ税金をかけるのであれば、ごみ処理費よりも国立大学の予算など、教育や未来への投資にかけたいですよね。
家庭では次のようにして食品ロスを削減できます。
①家の在庫を確認し買い物リストを作る ②空腹時の買い物は避ける
③使った分だけ食品を買い足すローリングストック法で備蓄を循環させる ④賞味・消費期限の意味を理解する ⑤冷蔵庫に食品を入れっ放しにせず循環させる。
韓国では1996年に2・6%だった生ごみリサイクル率を、生ごみの埋め立てを禁止したり、肥料・堆肥化を進めたりすることで2024年には98%以上にまで上昇させ、世界の注目を集めています。日本にもできるはずです。
5月30日はごみゼロの日。「分ければ資源 混ぜればごみ」の標語通り、食品ロスを減らし、生ごみは資源としてコンポストなどで活用し、ごみを減らしましょう。

食品ロス問題ジャーナリスト
井出 留美(いで るみ)

株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著書多数。


