ほっと一息

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2026.02.09

ご飯をおいしく楽しもう お米は新米だけが食べ頃じゃない!

JA広報通信2026年1月号

米・食味鑑定士/お米ライター●柏木智帆

 

 お米は一般的に収穫した年内だけ「新米」と呼ばれ、年が明けると新米とは呼ばれなくなります。新米とされる期間が短いためか、豊穣への感謝からか、日本人には新米信仰があって「新米だからおいしい」という声も聞かれます。でも、それは本当なのでしょうか。
 確かに新米は香り高くみずみずしい傾向がありますが、収穫後2、3カ月たってから味が乗ってくるお米もあり、年明けの1、2月は「お米の旬」だと感じています。私が稲作を生業にしていたとき、収穫したお米の味が前年産よりも薄くて落ち込んだことがあったのですが、2、3カ月たつと味が乗ってきたという経験がありました。
 収穫後のお米の味わいの変化について、複数の料理人やお米の関係者に尋ねたことがあります。温度と湿度が管理された環境で玄米やもみの状態で保管されることが前提ですが、皆さん「新米よりも年明けに味が乗ってくる」「水分が落ち着く年明けごろがおいしい」という回答でした。ある料理人の言葉を借りると「熟成させて脂が全体に回った魚には取れたての魚とは別のおいしさがあるように、お米のうま味を感じるのも年明けくらい」というわけです。
 もちろん、収穫したてがおいしさのピークのお米もあれば半年以上たってから味が乗ってくるお米もありますが、年明けが食べ頃というのが多くの傾向だと感じています。
 白飯だけで頰張ってみて味が乗ってきたなと感じるお米は、塩むすびの他、ぬか漬けなどシンプルな塩味などのあっさりとした和食と楽しむとさらにご飯の味が引き立ちます。
 新米でなくなったばかりの令和7年産米のおいしさの本領発揮はこれからです。ぜひ味が乗ってきたお米のおいしさを楽しみましょう!

 


年明け1、2月はお米の食べ頃