ほっと一息

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2026.02.03

なくそう食品ロス 恵方巻きから考える食品ロス

JA広報通信2026年1月号

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美

 

 2月3日の節分に食べるものといえば恵方巻きですね。私は2019年から毎年、節分の夜にコンビニなどを回って恵方巻きの売れ残りを数える調査を続けています。2025年には36人にご協力いただき、1都2府7県、合計183店舗の大手コンビニを回りました。
 23時前後では、恵方巻きが完売していた店舗もありましたが、70本売れ残っていた店舗もありました。調査したうちの149店舗で合計91万7605円相当の売れ残りがあったと考えられます。これを全国のコンビニの数約5万5700店舗に当てはめると、2億7929万円以上のロスとなります。
 多くのコンビニでは、基本的に1000円前後の高価格帯商品は予約制となっているので売れ残らないはずです。それなのに売れ残りが出る店舗があるのはなぜでしょうか。
 コンビニの関係者に聞いたところ、恵方巻きは節分の前年の12月ごろに本部から発注数の確認が来るため、客の予約を取る前に発注する数量を決めているそうです。おせち料理は数万円しますが、恵方巻きはそれよりも単価が安いので、予約制で食品ロスを減らすのは限界があるのではないでしょうか。
 コンビニでは恵方巻き以外にも毎日食品の売れ残りが発生しています。コンビニや飲食店の売れ残りなどの企業から出される事業系一般廃棄物は、通常は家庭ごみなどの一般廃棄物と一緒に税金を使って焼却処分されています。
 私たちが働いて納めた貴重な税金は、食べ物を燃やすためでなく、教育や医療、福祉、雇用などに費やせるよう、食品ロスは極力なくしていきましょう。そのためには、私たちも恵方巻きに限らず、季節商品は必要な分だけ買うようにする、家で作る、売れ残りをなくす努力をする企業や店を選んで買うようにしていきたいですね。

 

食品ロス問題ジャーナリスト 井出 留美(いで るみ)


株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著書多数。