ほっと一息

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2025.10.30

おいしく食べて美しく おいしく食べて冬バテ対策

JA広報通信2025年11月号

栄養士●吉田理江

 

 冬になると、だるさや疲れやすさ、やる気が出ないなどの冬バテに悩まされる方も多いでしょう。睡眠トラブルや食生活の乱れにもつながり、肌など美容に影響が出る場合もあります。
 冬バテは、寒さによる血行不良や日照時間の減少などが原因で起こります。今回は、冬バテ対策にお薦めの栄養素を三つご紹介します。

ビタミンB1

 豚肉、玄米、そばなどに多く含まれるビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換する際に欠かせない栄養素です。不足すると疲労物質の乳酸が体に蓄積され、疲れやすくなります。神経の働きを正常に保つ役割もあるため、ビタミンB1不足は、イライラや集中力の低下を引き起こす原因に。豚肉と玄米を組み合わせたチャーハンや、そばに豚肉をトッピングすると効率良く取れます。

 

 鉄

 赤身の肉、魚、小松菜などに多く含まれる鉄は、酸素を全身に運ぶ赤血球のヘモグロビンの材料となる重要な栄養素です。鉄不足は、酸素不足になるため、だるさや息切れ、頭痛、目まいなどを引き起こす原因になります。小松菜などの植物性食品に含まれる鉄(非ヘム鉄)は吸収率が低めですが、ビタミンCを含むレモン汁やブロッコリーと組み合わせると吸収が促進されます。小松菜、豆乳、レモン汁をミキサーで混ぜると鉄の吸収率が高まり、手軽にタンパク質と野菜が取れます。

 

ビタミンD

 冬の日照不足で体内合成が減少しやすい栄養素です。キノコ、サケ、イワシなどに含まれ、骨の健康だけでなく、免疫機能や筋肉の働きをサポートします。不足すると疲労感や筋力低下を招くため、冬は意識して取ると良いでしょう。キノコ類をサケと一緒に鍋料理にすると、体を温めながら効率良く取れます。
 冬バテ対策には、栄養バランスの良い食事と適度な運動、十分な睡眠が大切です。おいしく食べて元気に美しく冬を乗り切りましょう。

 

 

栄養士・ダイエットコーチ  吉田 理江(よしだ りえ)


飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。