ほっと一息
2025.10.17
みんなのネットリテラシー講座
JA広報通信2025年10月号
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子
興味がある商品の広告ばかり表示される理由は?
ウェブサイトやSNS(交流サイト)を見ているときに、つい先ほどまで自分が見ていた商品やサービス、または興味を持ちそうな広告ばかりが表示されて驚いた―。という経験はありませんか。
これは「パーソナライズド広告」という仕組みのためです。
◎パーソナライズド広告とは
パーソナライズド広告は、ユーザーがどんなサイトを見たか、どんなことを検索したか、どんな場所にいるか、SNSでどんな投稿に「いいね」をしたかなどのデータに基づいて、興味を持ちそうな広告を自動的に表示する仕組みです。
例えば、「パソコン 買い替え」と検索して販売サイトを閲覧したり、ユーチューブなどでお薦めのパソコンを紹介する動画を見たりすると、後日パソコンとは関係がないニュースサイトなどを見ているときにもパソコンの広告が表示される場合があります。
企業側も自社の商品やサービスに興味を持ちそうな人に見てもらいたいと考えるため、このような仕組みになっているというわけですね。
◎パーソナライズド広告を制限する方法
ユーザーデータの扱いはウェブサイトによって異なるため、完全にパーソナライズド広告を表示させないようにすることは難しいですが、ある程度制限することはできます。
パソコンの場合はGoogleなどのブラウザーの設定から、スマートフォンの場合はブラウザーの設定の他に「設定」アプリ内の「トラッキング要求を許可」などの項目から制限できます。
パーソナライズド広告を制限すると、自分の興味がない広告も多く表示されることになります。そのため、あえてパーソナライズド広告を制限せず、情報収集に活用している人もいます。
ユーザーデータは、名前などの個人情報と結び付けた状態で収集されているわけではないとされているので、利便性などを総合的に判断して使い分けてください。
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト
高橋 暁子(たかはし あきこ)
SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。