ほっと一息

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2025.10.13

身近な草木 和ハーブ入門

JA広報通信2025年10月号

植物民俗研究家/和ハーブ協会副理事長●平川美鶴

ショウガ スパイシーさと香りが人気

 

 熱帯アジアがふるさとのショウガ。世界的なハーブ&スパイスですが、日本の暮らしにも古くからなじんできました。
 秋に収穫期を迎える根ショウガは生のまますって使うことで、辛味成分であるジンゲロールの働きにより殺菌・発汗作用が期待できるとされています。いわゆるショウガらしい香りが立ち、湯豆腐などの薬味にぴったり! 食欲がそそられます。
 まず「ギョーザのたれやスープ、卵焼きにショウガの風味が欲しい」または「ショウガがちょっと余ってしまった」というときにお薦めのひと手間レシピをご紹介します。

 

■ ショウガの日本酒漬け
①ショウガ70gをよく洗い、皮ごとすりおろす。
②①を保存瓶に入れて、日本酒200mlを加える。
 作ったらすぐに使える万能調味料です。冷蔵庫で保管する場合は2週間程度で使い切りましょう。
 一方、炒め物や煮物、蒸し物に使うときなど、加熱したショウガは血行促進・鎮静作用が期待できるとされます。特に風邪の引き始めや冷えやすい方にお薦めです。
 次に家庭でも作りやすく、長期保存できるシロップのレシピをご紹介します。冷蔵庫で1カ月程度保存できます。

 

■ 和かんきつのしょうがシロップ
①ショウガ100gをよく洗い、皮ごとすりおろす。
②①と水200mlを鍋に入れて、弱火で20分ほど煮る。
③②に、きび砂糖100gを加えて混ぜながら、弱火でさらに15分ほど煮詰める。
④火を止めて、仕上げに和かんきつ(スダチ、カボス、ユズなどをお好みで)の搾り汁を加える。
 大さじ2程度をマグカップに入れてお湯で割り、しょうが湯に。または冷たい炭酸で割り、ジンジャーエールに。ホットミルクで入れた紅茶に加えればチャイのような風味も楽しめます。豚肉のしょうが焼きを作る際の下味付けにもお薦めです。

 

 

 


秋に収穫期を迎える根ショウガ

 

 

植物民俗研究家/一般社団法人和ハーブ協会副理事長
平川 美鶴(ひらかわ みつる)
8月2日“ハーブの日”生まれ。全国各地の足元の植物と人のつながりを訪ね、日本人らしい生き方や感性を探求。講演、執筆、ものづくり、フィールド案内、実践ワークショップ、地域創生プログラムなど幅広く携わっている。著書に『和ハーブのある暮らし』(エクスナレッジ)など。