ほっと一息

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2025.10.04

私の食育日記

JA広報通信2025年10月号

食育インストラクター●岡村麻純

旬の根菜を食べて元気に過ごそう

 

 子どもたちとは1食のうち必ず何か野菜を食べる約束をしています。
 野菜には体の調子を整えるビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、元気に過ごすために必要な栄養素が含まれています。そんな大切な野菜ですが、忙しい毎日の中で必ず取り入れようとすると、調理しやすいトマトやレタスなどの生野菜が中心になってしまいます。しかし、健康を考えればいろいろな種類の野菜を食べるのが理想的です。中でも意識して取りたいのが根菜類です。
 土の中で育つ根や茎の部分を食べる根菜。根菜というと、ダイコンやゴボウ、レンコンなど冬が旬の野菜が思い浮かびます。根菜は、野菜の中では水分が少ないため体を冷やしにくく、血行促進効果のあるビタミンEを含むものが多く、また、加熱調理に向いていることからも体を芯から温めてくれます。
 根菜を一年中意識して取ることで、強い体づくりにつながっていきます。例えば、春には胃の粘膜を保護する効果があるナガイモ、消化を助ける力があるカブが旬を迎えます。新しい生活が始まり、心身共に疲れやすい春にぴったりです。また、水分が多く、体を冷やす力を持つキュウリやトマトなどの野菜が旬の夏。そんな夏でも旬となる根菜類が、新ショウガや新ゴボウです。夏野菜に加えて根菜を食べれば、クーラーなどで冷え過ぎてしまった体を温めてくれます。さらにショウガには、消化を助け免疫力を高めるなどの力もあります。
 そして実りの秋になると多くの根菜が旬を迎えます。少しずつ寒い日も増えるこの時期に、体の抵抗力を高めてくれるビタミンAが豊富なニンジン、ビタミンCが豊富なサツマイモ、整腸作用のあるサトイモなどを意識して献立に加えましょう。
 子どもたちと、今日は野菜あるかな、根菜入っているかな、と意識しながら、いろいろな種類の旬の野菜を食べ、その季節を元気に乗り切る力を付けてもらいたいと思います。

 

 

 

岡村 麻純(おかむら ますみ)
タレント・食育インストラクター
お茶の水女子大学食物科学講座(現在の食物栄養学科)卒業
大学では食育をテーマに研究
男女3児の母