ほっと一息

ほっと一息

2025.09.23

トラブル回避の基礎知識

JA広報通信2025年9月号

国民生活センター相談情報部●福島実香

 

出張鍵開錠サービスにご注意!

 

 近年、出張鍵開錠サービスに関する相談が増加しています。
【事例】深夜、鍵が見つからず家に入れなくなった。インターネットで検索し、「鍵開錠5000円~」の広告を見つけて電話すると、「見てみないと分からない」と言われ解錠を依頼した。しかし、訪れた作業員から「特殊な鍵なので10万円かかる」と言われた。早く家に入りたかったためその場で契約し、終了後全額を支払った。後日、知人に「高過ぎるのではないか」と言われ、高額請求だと分かった。適正価格との差額を返金してほしい。
【解説】鍵のトラブルは突然起こります。特に深夜や早朝など緊急時には「一刻も早く解決したい」という気持ちが先行し、冷静な判断が難しくなります。
 悪質な事業者は、こうした心理に付け込み、低価格をうたう広告で消費者を誘い込みます。現場に来てから「特殊な鍵だから」「壊す必要がある」などと不安をあおり、広告とはかけ離れた高額な費用を請求する手口が目立ちます。
 消費者が事業者に来訪を求めて自宅で提供されたサービスは、原則クーリング・オフの対象外です。しかし、上記の事例のように「5000円程度なら」と思って依頼したのに、自宅で高額な契約の勧誘をされて契約した場合には、当初の意思とは異なる別の契約をしたと捉えられることから、クーリング・オフができる可能性があります。もし同様のトラブルに遭ったら、1人で抱え込まず、すぐに最寄りの消費生活センターなどに相談してください。
 鍵トラブルはいつ起きるか分かりません。緊急時に備え、所有する鍵の種類やメーカーなどを確認し、信頼できる事業者の情報を事前に調べておくと安心です。なお、賃貸住宅の場合は、原則勝手に修理はできません。あらかじめ大家や管理会社に緊急時の対応方法を確認し、いざというときに備えておきましょう。