ほっと一息
2025.09.11
あなたの個人情報、しっかり守れていますか?
JA広報通信2025年9月号
監修:高橋暁子(成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト)
イラスト:小林裕美子
初めてのスマホセキュリティー講座
スマートフォン(以下、スマホ)でできることが増えた今だからこそ、
セキュリティー対策をすることが大切です。
できることから実行してトラブルを防ぎましょう。
多くの個人情報が蓄積されるスマホ
スマホは、携帯電話と小さなパソコンのような機能を兼ね備えています。
スマホがあれば、家族や友人との電話やメッセージのやり取り、ネットショッピング、銀行の残高確認などができ、今では暮らしに欠かせない道具になりました。そのためスマホには連絡先や位置情報、通信履歴、行動履歴など、さまざまな個人情報が蓄積されています。
対策をしないとどんな危険があるの?
便利なスマホですが、しっかりとセキュリティー対策をしていないと、大切な情報が盗まれてしまう危険があります。
近年ではスマホを介したさまざまな形の詐欺も増加しています。
●メールやSNS(交流サイト)などで違法・有害サイトに誘導される。
●スマホに警告画面が表示され、ウイルス感染したように思い込まされてお金をだまし取られる。
●SNSなどの広告から商品を購入したものの、商品が届かずだまされる。
●警察官をかたる人物から犯罪の嫌疑がかかっているとSNSなどで脅され、捜査料が必要などといわれお金をだまし取られる。
自分自身が被害に遭わないために、また家族や友人など、周囲の大切な人の個人情報を流出させてしまいトラブルに巻き込んだりすることのないように、できることからセキュリティー対策を始めて、スマホをもっと安心して楽しく使えるようにしていきましょう。
超基本 今すぐできるやっておきたい設定
画面ロックを設定する(顔・指紋・パスコード)
「使いたいときにすぐにスマホの画面が見られないと不便」「スマホに入っているデータを誰かに見られても困らない」などの理由で、画面ロックを設定していない人もいますが、悪意ある人に操作されてしまうと、自分だけでなく周りの人の個人情報が流出・悪用される可能性があります。
セキュリティー対策の第一歩として、まずはパスコードや顔・指紋認証などによる画面ロックを必ず設定しましょう。
文字サイズを見やすい大きさにしよう
表示される文字が小さいと、不審な広告を見かけたり、不審なメールが届いたりしたときなどによく読めないままリンクを触ってしまい、詐欺サイトに誘導されてしまう場合があります。
見やすい文字のサイズに設定すると、明らかな誤字や言葉遣いがおかしい日本語が使用されているなどの違和感に気付きやすくなります。
パスワードは長く、複雑に
パスワードは記号・数字・アルファベット(大文字・小文字)を併用し、十分な長さ(12文字以上)にするなど、他人に推測されにくいように設定しましょう。一つのパスワードの使い回しも避けましょう。
こんなパスワードは危険かも……
NG例
単純な文字の並びやキーボードの配列順
(1111、abc123、qwertyなど)
英単語やその一部を置き換えた文字列
(password、P@ssw0rdなど)
自分や家族の名前、生年月日など推測されやすい文字や数字
(taro0401、hanako1950など)
安全にスマホを使うために身に付けたいセキュリティー習慣
怪しいメッセージやリンクは開かない・押さない・返信しない
不審なメールやメッセージを開くと、ウイルスに感染したり、詐欺に巻き込まれたりするリスクが高まります。返信したり、リンクを触ったり、記載されている電話番号に発信したりしないようにしましょう。また、メールアドレスやリンク、SNSのアカウントなどに明らかに違和感がないか確認する習慣を付けましょう。
個人情報の入力時は一度立ち止まって確認を
ウェブサイト上で個人情報を入力する、またはお金を振り込む必要がある際には、一度立ち止まってそのサイトに問題はないか確認する習慣を付けましょう。メールなどが届いた際に文面や電話番号などを検索すると、詐欺と気付ける場合があります。
ネットショッピングは公式アプリ、ブックマークから
ウェブサイト上で買い物をするときは、SNSなどに記載されたURL(リンク)からアクセスせず、公式アプリまたは事前にブックマーク(お気に入り)登録した公式ウェブサイトから行いましょう。SNSなどの広告から詐欺サイトへ誘導される可能性があります。
アプリは公式ストアからのみインストールしよう
アプリは公式ストアやウェブサイトなど、さまざまな方法で入手できます。公式ストアから配布されているアプリは、審査を通った安全なアプリという証しです。悪意あるアプリを避けるために、基本的に公式ストア以外からはダウンロード&インストールしないようにすることが大切です。
突然警告画面が出てきても安易に従わない
ウェブサイトを見ているときに、突然警告画面が表示された場合、安易に画面の指示に従わず、画面を閉じるか、スマホを再起動するようにしましょう。偽の警告画面に表示した番号に電話をかけさせて金銭をだまし取るサポート詐欺の可能性があります。
セキュリティーアプリなどを活用しよう
個人情報を守るため、セキュリティーアプリや迷惑メールフィルターなどを利用することで、違法・有害サイトへのアクセスをブロックできます。設定方法が分からないときは、家族などを頼ったり、携帯電話会社のサービスセンターなどに相談してみましょう。
スマホを定期的にアップデートしよう
OS(基本ソフト)、アプリなどは必ず最新状態にアップデートしておきましょう。
新しい機能が使えるようになるだけでなく、技術の進歩によって発見されたセキュリティー上の問題点などを解消し、スマホの安全性を向上させてくれます。
困ったときには相談を
詐欺に遭ってしまったかも、だまされてお金を振り込んでしまったかもと思ったら
● 警察相談専用窓口
各地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。
#9110
● 国民生活センター 消費者ホットライン
188(いやや)