ほっと一息
2025.09.03
私の食育日記
JA広報通信2025年9月号
食育インストラクター●岡村麻純
食べ物の絵本をたくさん読もう
1歳を過ぎた息子は絵本が大好きです。絵本を持ってきては「読んで」というように私の膝に座ってきます。そんなかわいらしい時期も一瞬で過ぎてしまうことを思い、忙しいタイミングであっても少しでも一緒に読むように心がけています。
わが家には、私の好みにより食べ物に関する絵本がたくさんあります。果物が隠れんぼしている絵本や、冷蔵庫の中のものが出てくる絵本、野菜が飛び出す絵本におにぎりの絵本。食べ物を見ているだけで楽しくなりますが、それだけでなく、これらの絵本は好き嫌いを減らすことにも一役買ってくれています。
子どもにはいろいろなものを食べてほしいと思うのに、結局いつも同じような、子どもの好きなものばかりを食べさせているということはありませんか。子どもにとって、おいしいと知っているなじみのある食べ物は安心感があります。なので、味を知らない新しいものより、同じものばかりを食べたがる傾向にあります。子どもの偏食の多くは、嫌いで食べられないからではなく、好きなものを食べたいという気持ちが強くなるために起こります。
そこで、絵本が活躍してくれます。食べたことがないもの、好んで選ばないものを、楽しい絵本を通して先になじみのある状態にしておくことができます。さらに私は、食べ物が出てくる絵本を読んだときに、実際にその食べ物を子どもに見せるようにしています。例えばニンジンが絵本に出てきたら、ニンジンを見せて目の前で切り、その後の食事に出すと、子どもにとってその食べ物が身近な食べ物に変わり、興味・関心が湧いて、食べてみようという気持ちが出てきます。
子どもがキノコを嫌がったらキノコの絵本を探し、ピーマンを嫌がったらピーマンの絵本を探す。そうすることで新しい絵本との出合いも広がってきました。これからも絵本を通して子どもの好きな食べ物を増やしていけたらと思います。
岡村 麻純(おかむら ますみ)
タレント・食育インストラクター
お茶の水女子大学食物科学講座(現在の食物栄養学科)卒業
大学では食育をテーマに研究
男女3児の母