ほっと一息

ほっと一息

2025.09.02

国際協同組合年

JA広報通信2025年9月号

●2025国際協同組合年全国実行委員会事務局

協同組合の運営原則(3)

 

 今回は七つの協同組合原則のうち、第3原則について解説します。同原則は、公平な出資や剰余金の使い方など組合財産の民主的管理についての指針です。
■ 必要な資金はみんなで出し合う
 協同組合の事業を営むには、元手の資金が必要になりますから、組合員が資金を出し合わなければなりません。これを出資といいます。
 出資は組合員全員が同額を出資するのではなく、その出資の目的や、組合を利用する程度に応じて出資する公平の考え方に基づいています。借入金で賄う方法もありますが、借入利息で協同組合の経営が圧迫されたり、借入先からの支配を受けたりすることにつながりかねませんので、組合員みんなの出資を基本とすることは、協同組合の自主性を保ち、組合員本位の事業を進めていく上で非常に大切なことです。
■ 剰余金はみんなのために使う
 一般に収益と費用の差を利益といいますが、協同組合では、組合員が組合を利用する、また役職員が事業の合理化・経費の節約に努めるなどの結果として生まれるため、剰余金といいます。お金をもうけたのではなくお金が余ったというわけです。剰余金はみんなの努力で生まれるため、同原則では公平に組合員全体の利益につながるよう、使い道は①準備金として積み立て、協同組合自身の発展のために使う ②組合員がそれぞれ組合の事業を利用した度合いに応じて割り戻す ③地域社会の発展や地域みんなの生活の向上に結び付く、誰もが納得のできる事柄に対して支出する――としています。
■ みんなの財産、みんなで管理
 協同組合の財産は出資金をはじめ剰余金や準備金など全てがみんなの協同活動の成果です。これらの使い道を協同組合のトップ判断で決めることは許されず、組合員が参加する総会・総代会の場で議論し決定します。公平な出資を行い、組合の財産の使い道を組合員みんなで決めるため、これを経済的参加といいます。

 

 

「2025国際協同組合年(IYC2025)のページ」
日本協同組合連携機構