ほっと一息
2025.08.21
トラブル回避の基礎知識
JA広報通信2025年8月号
国民生活センター相談情報部●黒澤夏子
ESTA申請代行トラブルにご注意!
海外旅行や留学する人が増え、ビザ免除プログラム「ESTA(電子渡航認証システム)」の申請代行サイトに関する相談が増えています。
【事例】ハワイ旅行が決まり、検索エンジンの上位に表示されたサイトに個人情報やパスポート情報を入力してESTAを申請した。直後に、利用したクレジットカードで120ドルが決済されたことに気付いた。公式申請料は21ドルなのにおかしいと思って調べると、米国政府の公式サイトではなく、海外事業者が運営する申請代行サイトに申し込んだと分かった。まだ渡航認証手続きは完了していないので返金してほしい。
【解説】ESTAとは、日本人などが米国に渡航する際に必要な電子渡航認証のことで、電子渡航認証には他にもカナダのeTA、2026年からは欧州の一部の国(イタリア、フランスなど30カ国)で導入予定のETIASなどがあります。これらの国に渡航する前に申請が必要となります。
通常、申請は渡航国などの公式サイトやアプリから行いますが、事例のように、公式サイトと誤って申請代行サイトに申し込み、高額請求されるトラブルが発生しています。一般的には、渡航認証手続きが完了した場合、申請代行サービスが提供されているためキャンセルや返金を求めることは困難です。
しかし、サイトによっては返金ポリシーなどにのっとって一部返金などに応じるケースがあります。誤って申し込んでしまった場合は、まずサイトの規約を確認した上で、返金を求めることが可能であれば事業者に申し出てみてください。交渉しても自身で解決できない場合は、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)に相談しましょう。
電子渡航認証は渡航目的や渡航期間によって、また世界情勢などによって免除措置が行われる場合があります。ESTA取得前に外務省のホームページで常に最新情報を入手し、楽しい海外旅行をしてください。