ほっと一息
2025.08.12
おいしく食べて美しく
JA広報通信2025年8月号
栄養士●吉田理江
秋の味覚で不眠症対策
秋になり、不眠に悩まされる人が増えています。原因は、日照時間の減少や朝晩の気温差などによって自律神経が乱れやすくなるためです。寝付きが悪い、夜中に目が覚める、朝スッキリ起きられないなどの症状が続くと、美容にも心身のパフォーマンスにも影響を及ぼします。そこで今回は、秋の不眠対策として、お薦めの食材を三つご紹介します。
■ サツマイモ
秋の定番食材のサツマイモは、炭水化物を多く含み、脳内で幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの生成をサポートします。炭水化物を取ることでセロトニンの材料となるトリプトファンというアミノ酸が脳に運ばれやすくなり、心の安定につながります。夕食やおやつに蒸したサツマイモを取り入れると、心も体もリラックスしやすくなるでしょう。
■ サケ
サケはセロトニンの材料であるトリプトファンを多く含む食品です。加えて、気分を安定させる神経伝達物質の働きをサポートするDHAやEPAといったオメガ3脂肪酸も豊富に含まれます。焼きざけやホイル焼きを食事に取り入れることで、睡眠の質をサポートするトリプトファンをしっかり取れるでしょう。
■ 栗
栗には、筋肉の緊張を緩めて心身をリラックス状態へ導く働きがあるマグネシウムが豊富に含まれているため、不眠の方にはお薦めの食材です。また、栗の渋皮に多く含まれるタンニンには、強い抗酸化作用があるため肌の老化予防にも役立ちます。おやつにゆで栗を食べたり、夕食に栗ご飯を取り入れると良いでしょう。
旬の食材を上手に取り入れて食事を楽しみ、秋の夜長にぐっすり眠れる体づくりを始めてみませんか。食事に加えて、ぬるめのお風呂や軽いストレッチなどを習慣にすると、よりリラックスして質の良い睡眠を促すことができますよ。
栄養士・ダイエットコーチ
吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。