ほっと一息
2025.08.04
私の食育日記
JA広報通信2025年8月号
食育インストラクター●岡村麻純
おいしく米を炊こう
今年に入って何かと話題な米。給食ではご飯が減りパンが増えましたが、食べ盛りの子どもが3人もいるわが家にとって、腹持ちが良いご飯は代え難い存在です。米のありがたさを再確認した今こそ、米をよりおいしく食べようと、時間がある日は土鍋でご飯を炊いています。
米の主成分はでんぷんで水分量は15%ほどです。米に水を加えて加熱すると、でんぷんが水分を吸って軟らかくなる糊化(こか)という現象が起き、最終的には60%ほどの水分量になります。これが炊飯です。炊飯の手順は洗米、加水、給水、加熱、蒸らしの5段階に分けられます。
米を炊くときは一般的に米の重量の1・5倍の水を加えることが適量とされます。新米は少なめに、古米の場合は少し多めにします。ここでのポイントは、冷蔵庫で冷やしたくらいの冷たい水を使うことです。米は冷水を使うと吸水速度が遅くなり、ゆっくりと均一に浸水され、ふっくらとしたご飯に仕上がるとされています。また、でんぷんの糊化のためには加熱前にしっかり吸水させることが大切です。特に初期段階でよく吸水するので、少なくとも30分は浸水させましょう。土鍋ごと冷蔵庫に入れて冷やすのもお勧めです。
そして加熱です。最初は強火にし、約10分で沸騰状態を目指します。そこから5分間沸騰状態を保ったら弱火にして、15分ほど加熱します。沸騰後、100度の状態を合計で20分ほど保つことが芯までふっくら炊くこつです。その後火を止め15分間蒸らします。この蒸らしの間に適度な粘りと硬さになります。蒸らし終わったらすぐにふたを取り、余分な水分を取るため軽く全体を混ぜておきます。炊飯器の場合も、炊き上がりに一度軽く混ぜておくことがお勧めです。
炊き方を少し意識するだけでも毎日の米がよりおいしくなります。子どもたちにはいつまでも米が大好きでいてほしいと願っています。
岡村 麻純(おかむら ますみ)
タレント・食育インストラクター
お茶の水女子大学食物科学講座卒業
大学では食育をテーマに研究
男女3児の母