ほっと一息
2025.06.24
みんなのネットリテラシー講座
JA広報通信2025年6月号
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子
サポート詐欺に注意!
警視庁によると、2024年はサポート詐欺が前年比2・6倍と急増しました。サポート詐欺とその対策について解説します。
◎偽の表示・警告音で不安にさせ金銭をだまし取る
サポート詐欺とは、パソコンでインターネットを閲覧中にウイルスに感染したような偽の画面を表示したり、警告音を鳴らしたりして不安にさせる手口です。警告画面が消せない、警告音が止められないなどの理由でパニックになるユーザーは多いです。その結果、画面に表示されたサポート窓口に電話して、サポートの名目で金銭をだまし取られてしまうのです。支払い方法は、クレジットカード決済の他、各種ギフトカード、コンビニ決済、電子マネーなどが使われます。
セキュリティーソフトを装った、遠隔操作ソフトのインストールを指示されることもあります。インストールしてしまうとパソコンのアカウントを乗っ取られ、不正送金などの被害に遭う恐れがあります。
◎電話、アプリ・ソフトウエアのインストールはしないこと
警告画面が表示された場合、画面に表示された電話番号に電話をしたり、指示されたアプリやソフトウエアをインストールしないことが大切です。警告画面を消すには、ブラウザーを終了しましょう。方法が分からない場合は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)のセキュリティ安心相談窓口(03‒5978‒7509)に相談してください。
万一指示されたソフトウエアなどをインストールしてしまった場合は、ネットワークを切断してウイルスチェックを行い、ソフトウエアを削除しましょう。可能ならパソコンを初期化、パスワードを変更するといいでしょう。
このような詐欺を防ぐためには、パソコンのOS(基本ソフトウエア)やその他のソフトウエアを最新の状態にしておくことが大切です。ウイルス対策ソフトなども導入しておきたいですね。
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト
高橋 暁子(たかはし あきこ)
SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。