ほっと一息

ほっと一息

2025.06.24

トラブル回避の基礎知識

JA広報通信2025年6月号

国民生活センター相談情報部●廣瀬裕子

 

害虫や害獣の駆除サービスにご注意!

 

 害虫や害獣の駆除サービスに関わる相談が増加しています。
【事例】自宅の庭をハチが飛んでいたので、害虫駆除をウェブサイト(以下、サイト)検索した。「年間5000件の駆除実績、現地調査・見積もり0円、ハチ駆除2980円~」と表示していた業者に電話をかけた。作業員が来訪し簡単な調査をした結果、庭の奥にある大木の上にハチの巣があると指摘され、危険な作業になるとして30万円の見積もりになった。「ハチに刺されると最悪死に至る」「近所の人が刺されると大変だ」などと言われて怖くなり、「今だけ現金払いで20%引きの24万円にする」と言われたので駆除を頼んだ。自宅待機を指示され、作業は見ていない。作業後「ハチの巣駆除一式」と書かれた契約書を渡され現金で支払ったが、冷静になると本当にハチの巣があったのかどうかも疑わしい。返金してほしい。
 本件では、①サイト上で安価な表示をしながら、実際には高額な見積額を提示する ②ハチの巣による危険を強調して不安をあおる一方、今だけ割り引くことを強調し、契約を急がせる ③一式表記の簡単な契約書で作業内容が分からない、などの問題があります。
 サイト上の広告と実際の請求額に相当な開きがある、見積もりをするために呼び、自宅で契約したなどの場合、訪問販売に該当する可能性があります。さらに、契約書面が一式表記、クーリング・オフの記載がないなどの場合には、時間が経過してもクーリング・オフができる場合があります。一方で、業者が応じない、連絡が取れない場合があり、いったん支払ってしまうと返金を求めることは簡単ではありません。
 害虫や害獣が発生すると慌ててしまいますが、極端に安い価格を表示するサイトや広告があっても最低料金で依頼できることはまずありません。契約を急がせる業者には注意し、契約前に調査結果とそれに基づく作業内容、明細金額を必ず確認し、他社見積もりを取ることも検討しましょう。