ほっと一息
2025.05.20
トラブル回避の基礎知識
JA広報通信2025年5月号
国民生活センター相談情報部●竹谷啓子
悪質通販サイトを巡るトラブルにご注意
インターネット通販で注文した商品が届かないなどのトラブルが増えています。
【事例】通販サイトで、市場に出回っていないウイスキーを販売していたので、会社情報や利用規約をよく確認せずに注文した。代金支払い後に発送すると連絡があり、指定された個人名義の銀行口座に振り込んだが、一向に商品が届かない。相手に何度もメールを送ったが返信がない上、事業者の住所や電話番号は架空のものだった。返金を求めたい。
インターネット通販で注文した商品が届かない、返金されないといった相談が後を絶ちません。こうした悪質通販サイトの実体をつかむことは難しく、連絡が取れても交渉に応じない、支払い後に連絡が取れなくなるなどのケースがほとんどです。
国内の銀行に振り込んだ場合、振り込め詐欺救済法にのっとった銀行への申し出が考えられますが、解決に結び付くとは限りません。
悪質通販サイトには、①市場では希少な商品が売られている ②ブランド・メーカー品が格安価格となっている ③日本語の字体や文章表現が不自然 ④販売業者の名称、住所、電話番号などが不正確 ⑤支払い方法が個人名義の銀行口座への振り込みに限定されている――などの特徴があります。特に指定された振込口座が個人名義の場合には、事業者の代表者やサイト運営責任者らと一致しているか確認しましょう。
国民生活センター越境消費者センター(CCJ)のウェブサイトには「悪質通販サイト情報」が掲載されています。利用するサイトについては自身で判断する必要がありますが、少なくとも掲載されているサイトからは購入しないよう、事前に確認しましょう。悪質通販サイトの特徴を知り、怪しいと感じたら注文しないことが大切です。