ほっと一息

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2025.05.05

部屋干しテクニック

JA広報通信2025年5月号

イラスト:藤田倫央

 

梅雨時の生乾き臭を撃退!   爽快 部屋干しテクニック

 ジメジメとした梅雨の時期、洗濯物は部屋干しが多くなりますね。
そこで気になるのが部屋干し特有の生乾き臭……。
洗濯前の準備から干し方まで、部屋干しのポイントをご紹介します。生乾き臭を撃退しましょう。

 

干す前に菌を増やさない工夫を!

準備編
 部屋干しにありがちな生乾き臭は、雑菌が原因といわれています。雑菌は高温・多湿を好み、衣類に残った皮脂やタンパク汚れを餌にどんどん繁殖します。雨などでぬれた衣類はそれだけで雑菌が繁殖しやすい環境です。
 まず、脱いだ衣類や使ったタオルは通気性の良い洗濯籠に入れるなど、洗濯するまで湿気を取り除いておくように心がけましょう。洗濯機を洗濯籠代わりにするのはNGです。そのまま衣類を放っておくと、洗濯槽にも雑菌が繁殖してしまうのでやめましょう。
 ぬれた衣類はすぐに洗濯するか、洗濯するまでハンガーなどにかけて乾燥させておきましょう。乾燥した衣類と一緒にまとめてしまうと、乾燥した衣類にまで雑菌の勢力が拡大してしまいます。

ポイント


洗濯するまでにできるだけ乾燥させておきましょう。脱いだ衣類は通気性の良い洗濯籠へ入れておきます。ぬれたものと一緒にするのはNGです

洗濯編
 しっかり洗濯したつもりでも、衣類に皮脂やタンパク汚れが残ってしまうことがあります。実は、これが洗濯後の生乾き臭の原因! 洗濯の際はこれらをしっかり落とす工夫が必要です。
 肌着や下着のように直接身に着ける衣類は、肌に触れている部分に皮脂やタンパク汚れが多く付着します。こうした衣類は表裏をひっくり返して洗濯しましょう。洗剤や水に接触しやすければ、汚れも落ちやすくなります。実はこの「裏返し洗濯」、後で解説するように干すときにも有効です。
 1度の洗濯で衣類を詰め込み過ぎていませんか。まとめて洗濯したい気持ちは分かりますが、衣類を詰め込んで1回で洗濯するより、洗濯機に余裕を持たせた方が汚れは落ちやすくなります。小まめな洗濯を心がけましょう。
 洗濯槽そのものにも汚れがたまります。汚れを放置すると洗濯した衣類に雑菌が移り生乾き臭の原因になるため、定期的なクリーニングを心がけましょう。市販の専用クリーナーなどを使って、定期的に汚れを除去しておきましょう。また、洗濯後は洗濯機のふたを開けて槽内を乾燥させることも大切です。カビの発生を防ぐことで清潔を保ちましょう。

ポイント


洗濯物を詰め込み過ぎると、衣類の汚れを落とし切ることができません。1度にまとめて洗濯しようとせず、余裕を持って数回に分けて洗濯しましょう

 

洗濯槽にたまった汚れが生乾き臭の原因になることがあります。市販のクリーナーなどで小まめに清掃するように心がけましょう

 

準備編ポイント
その1 脱いだ衣類は通気性の良い洗濯籠へ
その2 ぬれた衣類は分けておきましょう

 

洗濯編ポイント
その1 衣類を裏返して洗濯しましょう
その2 詰め込み洗濯にご用心!
その3 洗濯槽を清潔に保ちましょう

 

早く乾かす干し方の工夫

 

乾燥編
生乾き臭の原因になる雑菌を繁殖させないために、
左記の基本ポイントを押さえておきましょう。
さらに、より早く乾かすための工夫も紹介します。

 

これだけは押さえておきたい!
干し方の基本ポイント
➤洗濯したらすぐに干す

➤風通しを良くする

➤湿度を下げる

➤しわを伸ばして干す

➤ハンガーと服の肩口を合わせる

➤洗濯物の間隔を空ける

 

干す位置を工夫する
 湿気は低い場所に流れる性質があります。衣類を部屋干しするときは部屋のできるだけ高い位置に干した方が早く乾きます。また、壁際は空気の流れが起こりにくいので、できるだけ部屋の真ん中で干すといいでしょう。

部屋干しはできるだけ風通しの良い場所を選びましょう

 

アーチ干しが理想的
 アーチ干しとは、タオルのような長い布製品を両端に、肌着のような小さい衣類を真ん中につるす干し方です。横から見たときにちょうどアーチ(橋)のように見えます。アーチ干しにすると洗濯物の間に空気の流れを作ることができ、洗濯物が早く乾きます。

乾燥を早めたいならアーチ干しがお勧め

 

大きなタオルなどはジグザグ干しに。空気に触れる部分をできるだけ大きく取るのがポイント

 

衣類を裏返して干す
 厚みのある衣類は裏返して干しましょう。縫い目やポケットが空気に触れて早く乾かすことができます。洗濯のときも裏返せば表面の生地が擦れないので傷みにくく、干すときの色あせ防止にもなります。無作法に感じるかもしれませんが、衣類を裏返しに脱いでそのまま洗濯してしまうのもありかもしれません。

ポケットなど別布の多いジーンズなどは、裏返して干すと乾きが早くなります

 

脱水のときに
乾いたタオルを入れる
 洗濯の際、脱水が始まる前に洗濯機を止め、乾いたタオルを入れます。タオルが水分を吸収するため、衣類をより乾燥に近い状態で取り出すことができます。黒いズボンなど糸くずが目立ちやすい衣類は、洗濯ネットに入れて洗いましょう。

 

洗濯物の上下に新聞紙を
 衣類を干した部屋の床に、新聞紙を敷き詰めておきましょう。新聞紙が除湿器の役割を果たしてくれます。新聞紙の除湿効果は意外に大きいので、ぜひ一度お試しを。ピンチハンガーなどでつるすときは、上にも新聞紙を載せておくとさらに除湿効果が得られます。

 

新聞紙を床に敷いておくだけ! 実にお手軽

 

家電の力でさらに時短!
 部屋干し衣類をさらに早く乾かすには、家電製品の力を借りましょう。乾きにくい衣類の下の方に向けて、扇風機やサーキュレーターの風を当てましょう。首振り機能を使うとさらに効果的です。
 空気中の水分を取ってくれる除湿器を使えば、洗濯物の乾きが格段に早くなります。エアコンがある部屋に干すなら除湿機能を活用すると良いですね。