ほっと一息
2025.05.02
私の食育日記
JA広報通信2025年5月号
食育インストラクター●岡村麻純
さまざまなしょうゆの種類
わが子の離乳食も後期に入り、ほんの少し味付けを始めました。この離乳食期に薄味に慣れておくと、将来的にも薄味好みになり、塩分の過剰摂取を予防できることが分かっています。なので、味付けは慎重に、できるだけ素材の味を大切にしています。また、この時期になじんだ味は、家庭の味として心をほっとさせる力を持ってくれるように思います。そこで私は日本の代表的調味料、みそやしょうゆから使うことにしています。中でも、しょうゆは日本で発展した発酵調味料ですが、みその液部分だけ取り出したことから始まったといわれています。
しょうゆはスーパーでも多くの種類を見かけます。JAS規格によると、しょうゆの種類による分類は5種類です。最も一般的な「濃い口しょうゆ」は関東で発展し、原料は大豆と小麦50%ずつで造られます。関西でよく用いられる「薄口しょうゆ」は濃い口しょうゆをより淡く仕上げるため塩分濃度が高くなっています。「白しょうゆ」は小麦が主な原料です。糖分が高く、琥珀(こはく)色で透明なのが特徴で、うどんのつゆや卵焼き、お吸い物に使うときれいな色に仕上がります。東海地方で生産される「たまりしょうゆ」は原料のほとんどが大豆で色が濃く、とろりと濃厚でつくだ煮などにも利用されます。そして「再仕込みしょうゆ」は、原料は濃い口しょうゆと同じですが、塩水の代わりに生しょうゆを使うため色や味が濃厚で「甘露しょうゆ」とも呼ばれ、刺し身の漬けしょうゆなどに使われます。
わが家にもたくさんの種類のしょうゆがあり、料理や好みに合わせて使い分けています。手巻きずしのときは、甘め好きの息子は九州地方の甘いしょうゆ、大人は再仕込みしょうゆなど、好みのしょうゆを選んで楽しんでいます。しょうゆの仲間である魚しょうも、チャーハンやスープに使うと一味違ったおいしさが出て家族に人気です。
日本が誇れる調味料、しょうゆを使って、和食好きな子どもたちに育ってほしいと願っています。
岡村 麻純(おかむら ますみ)
タレント・食育インストラクター
お茶の水女子大学食物科学講座卒業
大学では食育をテーマに研究
男女3児の母