ほっと一息
2025.04.21
ご飯をおいしく楽しもう
JA広報通信2025年4月号
米・食味鑑定士/お米ライター●柏木智帆
最後までお米をおいしく食べるために
皆さんは買ったお米をどこで保管していますか?
お米は貯蔵温度が高いほど劣化が進むため、常温に置いてしまうと味が損なわれやすくなってしまいます。精米すると酸化が始まるので、購入したらすぐに密閉できる袋や容器に入れて、冷蔵庫で保管することをお勧めします。密閉することで、乾燥や匂い移り、水ぬれなども防止することができます。
お米は牛乳や卵のように腐ることはありませんが、保管の状態や期間で味が落ちるという意味では「半・生鮮食品」といえます。できれば精米から2週間ほどで食べ切れる量を購入すると、最後までお米の持ち味を楽しむことができます。
例えば、1人暮らしで1日1合(150g)程度しか食べないという人も、2kg袋で購入すれば、約2週間で食べ切ることができます。1日2合程度食べるならば、約2週間で5kg袋を食べ切ることができます。
以前にもちもちとして粘りが強い特徴のある品種を買ったのに「全然もっちりしない」と悩んでいる方がいました。いつ購入したのかと尋ねると、なんと数カ月前。しかも、常温保存とのことでした。粘りが薄くなったり硬くなったりするだけでなく古米臭(酸化したぬかの香り)もあったと思いますが、そもそも古米臭がどんな香りなのか分からず、劣化していることに気付けなかったようです。
玄米の状態で購入した場合も、必ず密閉できる容器か袋に入れて冷蔵庫で保管しましょう。温度が高いと玄米の呼吸が活発になってでんぷんを消費して味が落ちてしまう他、ぬか層の酸化も進んで古米化してしまいます。
保存容器にはお米の継ぎ足しをせず、最後まで食べ切ってから新しいお米を入れることも大切です。容器に付着しているぬかはきれいに取り除き、容器をしっかりと乾かした上で、新しいお米を入れるようにしましょう。
小分けで保管すると便利です