ほっと一息
2025.03.14
トラブル回避の基礎知識
JA広報通信2025年3月号
国民生活センター相談情報部●黄田玲子
ガス給湯器の点検商法にご注意!
ガス給湯器の点検をきっかけとしたトラブルが起きています。
【事例】 数日前、「ガス給湯器の点検に伺います。ご都合の良い日を教えてください」と電話があった。契約中のガス会社だと思い了承したところ、今日業者が来訪した。15年前に設置した給湯器を点検し、「劣化しているのでいずれ壊れる。火災の心配があるので今すぐ交換した方が良い」と言われ怖くなった。「今なら割引できる」と言われ、約30万円で契約をした。だが、後からガス会社に確認すると、まったく関係がない業者だと分かった。解約したい。
ガス給湯器の無料点検を持ちかけ、応じた消費者の不安をあおって高額な契約をさせる、いわゆる点検商法に関する相談が増えています。
屋内に設置される「屋内式ガス瞬間湯沸器」は、消費生活用製品安全法の「長期使用製品安全点検制度」による法定点検の対象でしたが、現在は対象から外れています。一方で、ガス事業法などにのっとったガス設備の法定点検が、4年に1回以上の頻度でガス事業者に義務付けられており、ガス会社やその委託先により実施されています。ガス設備の法定点検は無料で実施され、不具合が発見された場合、事業者の設備であれば事業者側の負担で、消費者の資産であれば消費者側の負担で、事故を防ぐための対応が求められます。
ガス給湯器の点検商法は、実際の法制度を悪用した、消費者の勘違いを狙った手口です。
事例のケースは訪問販売に該当することから、クーリング・オフに関する事項など、法律で定められた事項を記載した書面を受け取った日を含む8日間はクーリング・オフができる場合があります。早急に消費生活センターに相談してください。
ガス給湯器の点検の案内があったら、自身が契約しているガス会社やその委託先などが行うものなのかどうかをガス会社に確認することが重要です。