ほっと一息
2025.03.17
シニアのためのネットリテラシー
JA広報通信2025年3月号
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子
投資詐欺広告に注意
SNS(会員制交流サイト)上で著名人などに成り済ました広告による投資詐欺被害が増えています。警察庁によると、2024年度は前年比3倍の約6000件、約800億円の被害がありました。SNS上での広告の見極め方についてご紹介します。
◎著名人投資広告の見極め方は?
インスタグラムやフェイスブックなどのSNSで、著名人による無料の投資教室の広告を見かけたことがある方も多いと思います。
知らない人からのメッセージなどでLINEの投資グループに招待されるケースもあります。このようなグループのチャットなどでは、投資を推奨する大手新聞社などの記事が紹介されていたり、著名人と直接メッセージやボイスメッセージでやりとりできるとされていたりするため、つい信じてしまいそうになりますが、全て成り済ましによる詐欺です。
著名人などによる投資教室の広告を見かけたら、その著名人の名前でインターネット上で検索してみましょう。「SNS広告は全て偽物です」と本人が警告していたり、すでにメディアで詐欺被害が記事化されていることも多いです。
成り済ましかどうか自分で見分けられない場合は、消費者ホットライン(188番)に相談してみましょう。同様の被害が多数報告されていれば、詐欺であることを警告してくれるはずです。
詐欺は一度振り込むとお金を取り戻すことは難しいため、事前の見極めが重要です。架空の投資アプリをダウンロードさせたり、実際は存在しない仮想通貨での投資を持ちかけられることも多いです。初めは少額もうかったように見せて信用させるのが典型的な手口なので、注意しましょう。繰り返し振り込みを求められることも多いですが、振込先が個人名義など不自然であれば、決して振り込まないことが大切です。
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト
高橋 暁子(たかはし あきこ)
SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。