ほっと一息

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2025.03.10

季節の歳時記

JA広報通信2025年3月号

和文化講師●滝井ひかる

晴明・穀雨

 

■ 清明(せいめい・4月5日ごろ~)
 一年を四季に分け、さらに春夏秋冬を六つずつに区切った季節の節目を、二十四節気といいます。
 二十四節気の「清明」は、明るい空が清らかに晴れ渡る、ちょうど新学期の頃。二十四節気が作られた中国では、この時期にお墓参りをして先祖の供養をするそうです。日本のお彼岸やお盆に似ていますね。

 

 沖縄にも清明祭(シーミー)という行事があります。この時期のニュースなどで、沖縄特有の大きなお墓の前で家族が歌ったり踊ったりしてピクニックのように先祖を供養する光景を目にしたことはありませんか。墓前とはいえ、シーミーは喜ばしいお祝い事なのです。
 すがすがしい気持ちで明るい空を見上げると、いよいよ新年度ですね。

 

 

 

■ 穀雨(こくう・4月20日ごろ~)
 春も終わりを迎えようとしています。二十四節気の穀雨は文字通り、穀物を育むために大地を潤す恵みの雨が降ること。作物に大敵の霜もやんで、田植え前の苗がすくすくと伸びる頃です。
 とはいえ「八十八夜の忘れ霜」という言葉があるように、5月の初めまでは油断できません。八十八夜は立春から数えて88日目で、今年は5月1日に当たります。「八十八」の字には末広がりの「八」が二つも入っていて、重ねると「米」の字になります。米寿の祝いがあるように、稲作文化が根付く日本で八十八夜は農事の吉日とされてきました。
 この頃になると春の天気も落ち着き、農事、特に茶摘みの季節が到来します。穀雨の終わりに八十八夜を迎えると、もうすぐ初夏が訪れます。