ほっと一息

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2025.02.06

お米をおいしく楽しもう

JA広報通信2025年2月号

五ツ星お米マイスター●小池理雄

海外からも注目される日本のお米

 お米は世界中で栽培されています。ところが今、ジャポニカ種、その中でも日本のお米は世界的な和食ブームとともに注目されているんだ。その証拠に、お米の輸出を見てみると、2023年時点で、過去10年間で比べるとなんとその量は12倍以上にもなっているんだって。

 

 でも外国人から見た日本のお米は、実はとっても異質な世界なんだ。外国のお米はあくまでも「RICE」であって、それ以上でもそれ以下でもない。ところが日本人は「品種による味の違いを楽しんでいる」「料理に合わせてお米の種類を変えている」「すし屋では自分のお店専用のブレンド米を使っている」「お米がおいしくなるための精米技術がある」「保存のために単に乾燥させるのではなく、水分と味を気にしている」などなど。

 

 「え、お米なのにそこまでやるの!?」と、外国人にとっては「アンビリーバブル」な世界なんだ。

 

 東京・原宿にある小池精米店の前は、普段から大勢の外国人が歩いています。時々お米を買ってくれますが、以前は「日本で最も有名なお米が欲しい」といった簡単な要望でした。しかし最近は「ニューヨークですし屋をやるので、すしに合うお米が欲しい」とか、「コシヒカリ以外で何か特徴的なお米はないか」とか、より具体的な要望が増えているんだ。これも日本のお米に外国人が熱視線を送っている証しだね。

 

 世界ではお米を味付けして食べることが一般的で、日本のように白米のまま食べることはほとんどありません。そのまま食べても十分においしい……。そんな日本のお米はジャポニカ種の中でも特に異質で、でも、だからこそ多くの外国人から評価されているんだ。

 

 皆さんは将来、外国で仕事をすることもあると思います。そのときに大事なのは、外国人が興味を持つ自分の国の特徴をいかに正確に、詳しく話せるかです。その中に間違いなくお米は含まれます。今日からしっかりお米と向き合いたいですね!

 

 

五ツ星お米マイスター
小池 理雄(こいけ ただお)
小池精米店三代目店主。1971年東京・原宿生まれ。大学卒業後、出版社、人事制度コンサルティングファームなどを経て、2006年に小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。