ほっと一息

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2025.01.10

日本の「農」と「食」を学ぶ

JA広報通信2025年1月号

●日本農業検定事務局

各地の郷土料理

 

 郷土料理は地域に生きてきた先祖の人たちの営みの中から生まれ、私たちの日々の暮らしと密接なつながりを持っています。家庭料理が基本で、地域のさまざまな行事と関係しており、その地域特有の四季折々の旬の野菜や魚などを使った季節を楽しむ料理が多くあります。

 

問題
全国各地の郷土料理に関する説明で、間違っているものは次のうちどれですか。
(1)「だし」は山形県の郷土料理で、キュウリ、ナス、ミョウガ、シソの葉を細かく刻んで混ぜ合わせ、しょうゆをかけた料理である。
(2)「焼きまんじゅう」は群馬県の郷土料理で、小麦粉でまんじゅうを作り、これを蒸してみそだれをかけた料理である。
(3)「箱ずし」は大阪府の郷土料理で、木型に魚の切り身とすし飯を詰め、四角い形に整えた料理である。
(4)「がめ煮」は大分県の郷土料理で、鶏のぶつ切りとゴボウ、こんにゃく、レンコンなどをしょうゆと砂糖で煮込んだ料理である。

 

 

解答:正解は(2)です。

 

解説:「焼きまんじゅう」は群馬県の郷土料理で、ふかしたもち米と小麦粉、米こうじでまんじゅうを作り、これを串に刺してみそだれをかけて焼いたものです。
 その他、「かんころ餅」は長崎県でお正月に作る郷土料理です。かんころ(サツマイモの切り干し)を熱湯で洗い、しばらく寝かせて軟らかくなったらせいろに入れて蒸し、これに白餅を混ぜ、よく混ざるように臼でついて出来上がりです。

 

 さらに「じゃっぱ汁」は青森県、「金山寺みそ」は静岡県、「ふなずし」は滋賀県、「冷や汁」は宮崎県の郷土料理です。
 お正月に食べる雑煮や餅にも地域性が出ます。雑煮では、宮城県加美町の「焼きはぜと鮭のはらこの雑煮」や千葉県九十九里地方の「はば雑煮」、香川県綾川町の「あん餅雑煮」とそれぞれの地域で具や味が違い、すまし文化圏、白みそ文化圏、赤みそ文化圏、小豆汁文化圏に分けられます。さらに餅の形も西は「丸餅」、東は「角餅」と分かれます。この分岐ラインはおよそ関ケ原を通るといわれています。
『新版 日本の農と食を学ぶ 中級編』(54・64ページ)より

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