ほっと一息

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2024.11.08

みんなのSDGs 田んぼソムリエになろう

JA広報通信2024年11月号

田んぼソムリエ●林 鷹央

稲刈り後の田んぼは鳥たちのレストラン!

 収穫は農家の喜びの季節。稲刈りを待つ田んぼの上ではツバメやトンボなど肉食の生きものが飛び交ってウンカやカメムシ、ユスリカなどの小さな虫を食べています。稲刈りでコンバインを運転している農家から覇気のあるオーラがガンガン放たれています。それに呼応したかのように、鳥たちも集まってきました。
 

 サギの仲間たちが刈られた稲の株元に残された生きものを食べています。普段から草原の生きものに慣れているチュウサギ、アマサギはバッタやカエルをうまく捕まえて食べています。
 対して普段は水中の魚を食べているダイサギ、コサギや、コイ、フナ、ナマズなど大型魚を好むアオサギなどは、昆虫などをスルッとスムーズにはのみ込めないようです。泥や稲わらが付いたカエルを食べる姿は、つゆなしでそうめんを食べるかのような不慣れな感じ。でも何度か繰り返しているうちに少しうまくなってきます。
 

 カラスも集まってきて、芋虫などの幼虫類を食べていました。稲刈りは鳥たちにとっても収穫の時期なんですね!

 

カエルを捕まえたアオサギ

 

コンバインの後を付いて歩くチュウサギ、アマサギ

 

大興奮のチュウサギ、アマサギ

 

田んぼソムリエ
林 鷹央(はやし たかお)
三重県生まれ、東京育ち。「田んぼの生きもの調査」を通して全国の農村・学校で生物多様性や農・里山文化の意義を伝える。著書に『田んぼソムリエになる!』(安心農業株式会社刊)がある。