ほっと一息

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2024.09.30

シニアのためのネットリテラシー講座 炎上を避けてSNSを安心・安全に使うこつ

JA広報通信2024年8月号

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子

 

傷つけられる上、個人情報がさらされることも

 SNS(会員制交流サイト)上などで非難・批判のコメントやメッセージなどが大量に寄せられることを「炎上」といいます。
 悪口やネガティブなこと、他人が不快になるようなこと、国籍・性別・障がい・容姿などに対する差別的な発言、政治・宗教・信条などの意見が分かれることなどを投稿すると炎上しやすいので注意しましょう。
 炎上すると、非難・批判や誹謗(ひぼう)中傷などが殺到して、深く傷つけられ、日常生活にも支障が出る可能性があります。自分の個人情報が特定されてネット上にさらされたり、家族や友人などにも迷惑をかける可能性があります。
 X(旧ツイッター)やインスタグラム、フェイスブック、ティックトック、ユーチューブなどの多くのSNSでは、投稿が検索対象となります。それ故、フォロワーが少なくても炎上してしまうことがあるので、注意が必要です。

 

公開範囲を制限し、投稿内容にも注意

 炎上を避けてSNSを利用するには、投稿の公開範囲をフォロワー限定などに制限し、フォロワーも友人・知人などに限定すると安心です。公開範囲を全体公開にすると投稿が検索対象となりますが、公開範囲を制限すると検索対象とはならず、炎上しづらくなります。なお、炎上が心配な人は匿名で利用し、顔写真も登録せず、個人情報もなるべく公開しない方が安心です。
 ただし公開範囲を制限しても、投稿内容に問題がある場合は、外部に転載されて炎上する場合もあります。そもそも悪口やネガティブなこと、他人が不快に思うこと、差別的な発言や意見が分かれることは、公開範囲を制限しても投稿すべきではありません。ネットに投稿した内容は消えることなく、多くの人の目に触れる可能性があるということを忘れないでください。自分に不利益になる可能性がある内容は、決して投稿しないようにしましょう。

 

 

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト 高橋 暁子(たかはし あきこ)

SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。