ほっと一息

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2024.05.07

おいしく食べて美しく 食べ物で初夏のストレス対策

JA広報通信2024年5月号

栄養士●吉田理江

 

 連休が過ぎた頃に体調の異変を感じたり、無気力になったりする人がいるかもしれません。転勤など環境の変化を経験した人に起こりやすく、ストレスが大きな要因だと考えられます。今回はお薦めの栄養素を三つご紹介します。

 ビタミンB6

 魚・肉などのタンパク質に多く含まれるビタミンB6は、幸せホルモンと呼ばれているセロトニンの合成に必要な栄養素です。セロトニンが不足すると不安などを感じやすくなります。料理が苦手な方は魚の缶詰を利用すると手軽に取れます。

 

 カルシウム

 大豆製品・牛乳などの乳製品に含まれるカルシウムには、神経の興奮を抑制させる働きがあります。ストレスがたまりやすい人にもお薦めの栄養素です。カルシウムの吸収を促進させる働きがあるビタミンDと一緒に取るとさらに良いでしょう。ビタミンDはキノコ、サケなどに含まれています。サケにチーズをのせてトースターで焼くと手軽においしく食べられます。

 

 食物繊維

 野菜などに含まれる食物繊維には、血糖値の急上昇を抑える働きがあるため、毎食取るようにしましょう。うどんなどの炭水化物だけでは、食後に血糖値が急上昇し、その後急降下するなど血糖値の乱高下を招きます。血糖値の乱高下は、イライラや気持ちの落ち込みにつながることが分かっています。野菜から食べる「ベジタブルファースト」を実践すると血糖値の急上昇を防ぎ、気持ちも安定しやすくなるでしょう。
 野菜をたくさん入れたみそ汁がお薦めです。食物繊維をしっかり取ることができ、体が温まることで気持ちが落ち着き、リラックス効果も期待できます。
 おいしく食べて心も体も健康で過ごせる体づくりをしたいですね。

 

 

栄養士・ダイエットコーチ 吉田 理江(よしだ りえ)

飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。