家庭菜園コーナー

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JA広報通信2026年10月号

園芸研究家●成松次郎
原図:成松次郎 イラスト:小林裕美子

 

春ダイコンのトンネル栽培 とう立ちの遅い品種を選び、適切な保温を

 

 トンネル栽培では、晴天日には気温が外気より高く、日中の気温を生育に適切な温度(15~25度)に少しでも長く保つことができます。さらに、20度程度の高温はダイコンのとう立ちを打ち消す働き(脱春化作用)があります。
 このように、トンネルとマルチによる保温は生育促進と、とう立ちを回避する効果があります。
[品種] 「天宝」「春の守(かみ)」(サカタのタネ)、「春神楽」(タキイ種苗)はとう立ちが遅く、低温でもよく太る肌のきれいな品種です。
[保温資材] トンネルフィルムは、農ビ(農業用ビニール)は保温性が良いのですが、農POは軽く、べたつかないなどの理由から農POが多く使われています。穴なしと穴開きがあり、穴開きタイプは保温効果がやや劣るものの、換気作業が省力化され、穴から雨水が入るため、使い勝手が良いです。
 べたがけ資材の不織布は保温効果や霜よけ効果があり、透光性も高いので、トンネル内の野菜上に直接かけて保温効果を高めます。
 マルチを使うと地温が上がり、生育促進効果は一層高まります。透明フィルムは地温上昇効果が高い資材ですが、雑草防止には黒を選びましょう。
[トンネルの作り方] 支柱の長さは、床幅70~80cmでは、差し込む長さを加え、200cm程度の長さが必要です。トンネルフィルムは、支柱の長さと同じ程度の幅を使い、トンネルの土台となる支柱を約60cm間隔に挿し、フィルムの裾は土で埋め、フィルムの上に押さえる支柱を差し込むなどして保温と耐風性を高めます(図1)。
[畑の準備] 種まきの2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gをまいて畑を深く耕して、土を細かく砕きます。1週間前に化成肥料(NPK各成分10%)150g程度と完熟堆肥1、2kgを施用します。
[畝立てと種まき] 幅70~80cmの栽培床(ベッド)を作り、マルチを早めに張って地温を上げておきます(図2)。条間45cm2条、株間27~30cmとし、1カ所4、5粒をまいて、1cm程度の覆土をします。
[間引き] 1回目の間引きは本葉1、2枚までに2、3本を残し、2回目は本葉4、5枚の頃にしっかりした株を1本残します。
[トンネルの換気方法] 日差しが強くなるとトンネル内は30度を超えるため、換気を行いましょう。穴開きフィルムを使うと換気の手間が省けます。穴なしフィルムでは裾を気温に応じて開閉するか、フィルム上部に穴を開け、次第に穴を増やして換気量を大きくします(図3)。3、4月はさらに気温が上がるため、葉が茂ってトンネル内が窮屈になる頃にはトンネルを剝ぎましょう。
[収穫] 首の太さが8cmくらい、重さ1kgぐらいが収穫適期です。なお、とう立ちが進むと芯が堅くなりますが、花茎(とうの長さ)が10cm程度なら問題ありません。

 

 

 

 

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。