家庭菜園コーナー

家庭菜園コーナー

あなたもチャレンジ!家庭菜園

JA広報通信2026年9月号

園芸研究家●成松次郎
原図:成松次郎 イラスト:小林裕美子

冬にやっておきたい土作り

 

 最初は軟らかい土も、野菜を作り続けると次第に硬くなり、水はけが悪くなって病害虫が出やすくなります。菜園に野菜が少ない冬の時期に、春に備えて土作りを始めましょう。

[水はけと通気の良い土]  
 根は水に溶けた酸素を吸って生長するので、水と空気が土粒の隙間を動きやすい土の構造(団粒構造)が大切です(図1)。水はけを良くするには土を深くまで耕し、下層の硬くて水の抜けにくい土層を壊します。
 団粒を作るのは、砂や粘土をくっつける役割をする堆肥などの有機物です。寒起こしや天地返しに合わせて粗大な有機物(バーク堆肥、家畜ふん堆肥、落ち葉堆肥など)を混入しておきます。

[落ち葉堆肥とは]  
 落ち葉堆肥は、落ち葉に米ぬかや油かす、骨粉などの有機質肥料を加えて発酵させたもので、肥料分を含んでいます。ケヤキ、クヌギなどの広葉樹は葉が柔らかく微生物により分解(発酵)されやすいため堆肥に適しています。

[落ち葉堆肥作りの手順]
 ①落ち葉を20cm程度の厚さに積みます。米ぬかや油かすなど(落ち葉の重さの1~2%程度)をサンドイッチ状に積み重ね、水をたっぷりまいて踏み固めます。②これを繰り返して1mくらいに積み上げます(図2)。③1カ月に1回程度切り返し、半年から1年程度たって落ち葉がボロボロに崩れてきたら完成です。コンクリートパネルなどで囲う、壁を利用するなどして堆肥場を作っても良いでしょう。

[寒起こし]
 同じ場所で野菜を長く栽培していると、上層土には肥料などの養分が蓄積し、下層土は根が入りにくく硬くなってきます。また、上層土には土壌病原菌や有害センチュウが増えてきます。このような畑では連作障害が発生し、野菜の生育が悪くなります。
 寒起こしは、厳寒期に菜園を表面から20~30cm荒く掘り起こし、土の塊を寒気にさらす作業です(図3)。このとき、大きな雑草などは取り除いておきましょう。土塊に含まれる水が夜間には寒さで凍結し、日中には溶けて乾燥します。これの繰り返しで土塊が次第に崩れて、通気性・排水性が良く、農作物の根が張りやすいふかふかの土になります。害虫が寒さで死滅する効果も期待できます。

[天地返し]
 普段耕す土層は軟らかくても、その下に硬い「耕盤」がある場合があります。特に、長い間トラクターのロータリーで耕やしていると、表層は耕せても、その下にはトラクターの重さで耕盤ができやすくなります。天地返しで、この耕盤を崩すことができます。
 天地返しは、表面から30cm程度の上層土と、その下60cm程度までの土を入れ替える土壌改良法です(図4)。
    ◆     ◆
 これらの作業はきつい仕事なので、冬に行うと良いでしょう。また、連作が心配な菜園では、障害を避ける対策としても考えてみましょう。

 

 

 

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。