ほっと一息

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2026.09.10

なくそう食品ロス

JA広報通信2026年9月号

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美
イラスト:出口由加子

サトイモ

 

 「サトイモは皮をむくのが面倒」という声を聞きます。でも、きちんと処理をすれば、なんと皮まで食べられるようです。
 管理栄養士の小嶋絵美さんの著書『捨てないレシピ』(サンクチュアリ出版)には、皮を揚げた「さといもの皮のパリパリチップス」や皮ごとオーブンで焼いた「さといもの皮ごとロースト」などのレシピが紹介されています。サトイモの皮を、水洗いしながら柔らかいスポンジで軽くこすり、繊維質の毛や汚れを落とせば食べることができるとのこと。
 そして、サトイモには親・子・孫がいると聞いたことがありますか?
 サトイモは、土の中に種芋を埋めて育てます。種芋から最初に芽が出ると大きく成長し、親芋になります。その後、親芋から出た芽が地上に伸び、同時に土の中では親芋の横に子芋、さらにその横に孫芋ができていきます。
 一般的に青果店などで出回っているサトイモは、子芋や孫芋の部分を食べる品種が多いです。その場合は、親芋は堅くて調理に向かないため、収穫されるときにほとんどが廃棄されてしまうとのこと。ただし、「八ツ頭」など、品種によっては親芋も柔らかくて食べやすいものもあります。
 スーパー大手のイオン株式会社はそんな親芋を生かした冷製ポタージュを販売しています。親芋の、風味が強く柔らかい部分を選別して食べづらい繊維質を取り除き、細かくすることで、サトイモのねっとり感を生かしているそうです。
 また、サトイモの茎であるズイキも、品種によっては食べられる場合があります。
 このように、形の不ぞろいや規格外などの農作物や、皮など廃棄するべきと思われがちな部位も、工夫次第でおいしく食べられる場合があります。家庭でも、調理前に「本当に食べられないのかな?」「おいしく食べる方法はないのかな?」と調べてみることで、食品ロスの削減につなげていくことができますね。

 

 

 

 

食品ロス問題ジャーナリスト
井出 留美(いで るみ)
株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著書多数。