ほっと一息
2026.02.16
資産管理の法律ガイド 親族法について その29 養子縁組の解消③
JA広報通信2026年1月号
JA全中・JA全国相続相談・資産支援チーム 顧問弁護士●草薙一郎
今回は判決離縁とその場合に認められる理由について説明します。
判決離縁とは
離縁には協議離縁と裁判上の離縁があり、さらに裁判上の離縁には調停離縁と判決離縁があります。その他、裁判所が相当と認めるときは審判離縁がありますが、これは審判書が届いてから2週間以内に当事者が異議申し立てをすると効力がなくなります。ただ、実務ではあまり多くありません。このうち、判決離縁は裁判所が縁組関係を解消させる内容ですので、離縁の根拠が必要です。

判決で認められる離縁理由
民法814条1項はそのことを定めており、
①他の一方から悪意で遺棄されたとき
②他の一方の生死が3年以上明らかでないとき
③その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき
─を離縁理由として規定しています。①②については仮に該当する事実があっても、裁判所は諸事情を考慮して離縁を認めないことも可能です(同条2項)。
離縁の場合、そのほとんどは③を理由とするようです。当事者の一方から他方に対する暴力行為とか、重大な侮辱行為があるようなケースが想定されます。
他には、娘の夫となることを条件に養子縁組をしたのに、その後娘と離婚をした養子との縁組を解消できるかや、家業を継いでもらうことを予定して養子縁組をしたのに、養子が家業をやってくれないなどのケースもあるようですが、これらのことだけでは③の離縁の理由に該当すると当然には断定できません。判決離縁では、諸事情を総合的に判断し、親子としての関係を継続することができないほどの信頼関係が喪失している状態か否か、という視点で判断されることになります。
判決離縁の判断を裁判所にしてもらうには時間がかかります。そのため、養親としては養子に遺産相続させたくないので、早めに離縁しておきたいなどと考えることもあるでしょう。次回はこのようなケースの対応の仕方を説明します。


