ほっと一息
2026.01.06
一年の始まりに整う 春の七草でわたしリセット
JA広報通信2025年12月号
監修:平川美鶴(一般社団法人 和ハーブ協会)
イラスト:小林裕美子
お正月のにぎやかさが落ち着いたら、ほっとひと息。春の七草で、体も気持ちも整えてみませんか?
日本に受け継がれてきた草木活用の知恵にならいつつ、七草を使った新しいセルフケア方法をご紹介します。

春の七草図鑑
一般的に「春の七草」と呼ばれている七つの植物をご紹介します。これらはビタミンやミネラル類、食物繊維、香りなどの有効成分を豊富に含む「和ハーブ」(日本古来の有用植物)であり、私たちの足元の宝ものです。
セリ
競り合うように生える様子が名の由来で、春に香りを増します。根にも栄養と香りがあり、東北地方では鍋の具の定番になっています。

ナズナ
果実の形が三味線のバチに似ているため「ペンペングサ」とも呼ばれます。ワサビと似た芳香を持ち、程よい辛さやうま味があります。

ゴギョウ(ハハコグサ)
小さく黄色い球が集まったような花が特徴です。中国では香りが邪気をはらうとされていて、かつては草餅に使われていました。

ハコベラ
名前の由来は「はびこる・栄える」から。ハコベラの生薬は古くから利尿・催乳作用があり、歯槽膿漏(しそうのうろう)も防ぐとされています。

ホトケノザ(コオニタビラコ)
紫色の花を咲かせるホトケノザとは別種で、タンポポに似た黄色い花が特徴です。葉は天ぷらなどにもおすすめです。

スズナ(カブ)
カブのことです。胚軸が鈴の形に似ているため、この名前が付けられたともいわれています。葉にはベータカロテンやビタミンCが豊富です。

スズシロ(ダイコン)
ダイコンの若葉です。有機硫黄化合物を多く含み、体のエネルギー代謝を活発にするといわれています。

※春の七草を取るときは、私有地や保護区域に入らず、似た植物と間違えないように注意し、必要な分だけを清潔な場所で取りましょう。
七草がゆだけじゃない!年末年始の疲れを癒やす七草を使ったセルフケア新提案
春の七草は、七草がゆ以外にも楽しみ方がたくさん!
JAの直売所やスーパーなどで簡単に入手できる、七草セットを使ったセルフケア方法をご紹介します。
疲れた胃腸を労うソース 和風ジェノベーゼ
七草に含まれるビタミンやミネラルで体調を整える効果が期待できます。パスタに絡めたり、バゲットに塗っておつまみにも。七草(葉の部分のみ)、大葉(10~15枚)、マツの実(10粒)、ニンニク(2片)、塩(小さじ1)、オリーブ油(30ml)を全てフードプロセッサーにかけ、ペースト状にします。

七草セットの余りで食欲アップ ふりかけや調味料
乾燥させた七草を使います。七草と千切ったのり、塩をお好みの量混ぜてふりかけに。七草と乾燥させたユズやミカンの皮をミル(粉砕器)にかけ塩を混ぜれば、天ぷらや刺し身の付け塩に。七草とすりごまや唐辛子粉、粉ざんしょうを混ぜれば料理の味を引き立てる十味唐辛子になります。

優しい香りと温かさに癒される 七草温湿布
草の上に寝転んだような懐かしい香りがする温湿布です。
花粉症や風邪で鼻水がつらいときにおすすめです。
①七草を乾燥させ、袋(市販のお茶パックなど)に詰める。
②鍋に500mlほどの水を入れて沸かし、①を入れて10分ほど煮出す。タオルを浸し、やけどに注意して絞る。
③鼻腔の周りや後頭部などにタオルを当てて温める。
※タオルの色移りにご注意ください。

手軽に作れるさっぱり入浴剤 七草バスビネガー
肌触りが柔らかく、さっぱりとした気分になれる入浴剤です。
①洗って水気を拭いた七草を保存用瓶に入れ、酢をひたひたに加えてふたをする。ときどき瓶を振って、2週間置く。
②家庭用バスタブにお湯をためて①の液を200ml入れ、よくかき混ぜて入浴する。
※けがや皮膚疾患のある方は使用する前に医師などに相談してください。

日本と中国の風習が融合し、七草を食べる文化に
もともと日本には新しい年の初めに若菜を摘み、野菜や肉を煮込んで作る汁物「羹(あつもの)」にして食べる風習がありました。江戸時代になると、五節句の一つ、1月7日の「人日(じんじつ)」の日に7種類の草が入ったかゆを食べる中国の風習と融合し、現在の形になったようです。
七草は冬場に不足しがちな青菜類を摂取する貴重な行事食でした。温かく優しい味わいで消化もしやすいため、現代でも冬の体調を整えるのにぴったりです。生命力あふれる七草の芽吹きに感謝しながら、一年の無病息災を願って七草を活用しましょう。



