ほっと一息

ほっと一息

2025.12.05

私の食育日記 魚に含まれるDHAとは

JA広報通信2025年12月号

食育インストラクター●岡村麻純

 

 魚を食べると頭が良くなるという話を耳にしたことがあるかと思います。魚にはDHA(ドコサヘキサエン酸)という脂肪酸が含まれているためです。このDHAは脳機能に重要な役割を果たしていることが分かっていて、脳の神経細胞の伝達をスムーズにする働きがあるといわれています。そのため、記憶力や言語能力にいい影響をもたらすのではないかと考えられているのです。
 DHAは体内では生成されないため、食事から摂取する必要のある必須脂肪酸の一つです。DHAが多く含まれる魚は、マグロやサバ、ブリ、サンマ、ウナギなどです。
 日本人の食事摂取基準では、DHAだけでなく、同じく魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やα‒リノレン酸とともにオメガ3脂肪酸として、摂取基準が出されています。これらは血液をサラサラにし、動脈硬化症の防止効果があるともいわれているため、大人も意識して取りたい必須脂肪酸です。
 オメガ3脂肪酸の摂取基準は12歳から17歳の男子が一番多く、1日に2gほどです。マグロなどの魚は、部位や季節によっても脂質量が変わるため正確には量れませんが、マグロの中トロの刺し身を5切れほど、ブリの切り身1切れ、サンマ1本で1日分の摂取基準に近づくと考えられます。つまり、1日1食、主食を魚料理にする、この心がけが大切なことに気付かされます。
 そこで、わが家では給食が肉の日は夜に魚料理を出すようにしています。また、昼・夜共に肉料理になってしまったときは、みそ汁にさば缶を入れて補っています。これならば、簡単に魚料理をプラスすることができます。
 マグロやカツオなどの回遊魚は、DHAが含まれる脂身の部分の季節変動が大きいことが分かっているため、脂の乗った旬の魚を選ぶことが効果的な栄養摂取につながります。
 学校で勉強を頑張るわが子たちのことを、私も魚料理で応援していこうと思います。

 

 

岡村 麻純(おかむら ますみ)

タレント・食育インストラクター
お茶の水女子大学食物科学講座(現在の食物栄養学科)卒業
大学では食育をテーマに研究
男女3児の母