ほっと一息

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2025.11.11

みんなのネットリテラシー講座 フリーWi‒Fiの危険性と安全に使うこつ

JA広報通信2025年11月号

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子

 

 フリーWi‒Fiの安全性を見極めるこつと注意点を紹介します。

暗号化されているフリーWi‒Fiを使おう

 外出時にパソコンやスマートフォン(以下、スマホ)でインターネットに接続すると、データ容量がかかります。契約するデータ容量を超えて利用すると、通信速度が遅くなったり、別途データ容量を購入したりする必要があります。いわゆる「ギガ不足」にならないよう、フリーWi‒Fiをうまく使うといいでしょう。ただし、セキュリティーに問題のあるフリーWi‒Fiを使うと、通信内容を盗み見られたり、個人情報を盗まれたり、ウイルスに感染したりするリスクもあるので、注意が必要です。実際、オーストラリアの空港や国内線の機内に偽のフリーWi‒Fiアクセスポイントを設置し他人の個人情報を盗んだ男が逮捕された事件も起きています。
 Wi‒Fiには、通信を暗号化しているものと、していないものがあり、暗号化していないWi‒Fiは第三者が通信内容を盗み見ることができてしまいます。パソコンやスマホのWi‒Fi接続画面で、ネットワーク名の横に鍵マークがあり、パスワード入力の必要があるWi‒Fiは、暗号化されています。暗号化されているもののみを利用しましょう。また、お店などのアクセスポイントに成り済ましたネットワークを用意し、接続してきた利用者の個人情報を窃取するケースがあります。ネットワーク名をよく確認し、店舗などが提供する信頼できるフリーWi‒Fiを利用しましょう。

個人情報の入力はしない

 フリーWi‒Fi利用時にウェブサイトを閲覧する場合は、セキュリティーが強化されている「https」から始まるURLのサイトのみとするのがお勧めです。クレジットカード番号や銀行口座情報、ショッピングサイトやSNS(交流サイト)などのID・パスワードの入力など、個人情報の入力はやめましょう。

 

 

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト 高橋 暁子(たかはし あきこ)


SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。