ほっと一息

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2025.11.10

トラブル回避の基礎知識 子どものオンラインゲームの無断課金にご注意!

JA広報通信2025年11月号

国民生活センター相談情報部●浅野友紀子

 

 保護者の使い古しのスマートフォン(以下、スマホ)を安易に子どもに使わせたことで、トラブルが起きる場合があります。

 

【事例】小学生の息子に使わなくなったスマホを渡し、自宅のWi‒Fiにつなげてオンラインゲームで遊ばせていた。先日私のクレジットカードに高額請求があり明細を確認したら、ゲームのプラットフォーマーから複数の請求があることが分かった。息子に確認したらゲーム内で課金ボタンを押したことは認めたが、お金がかかるとは思わなかったという。決済時に私宛てに届くよう設定していたメールアドレスは、普段使用していないアドレスだったために気付かなかった。保護者が承諾していない課金なので取り消したい。

 

【解説】電話機能などが使えない、SIM(通信・通話を利用するために必要なICチップ)を抜いたスマホなら安全だと思って子どもに安易に使用させ、課金が発生するトラブルが起きています。保護者のアカウントにログインした状態で子どもに使わせると、アカウントに登録した支払い方法で課金できる状態になります。課金すると保護者に決済メールが届く設定をすることもできますが、メールを確認せず課金されたことに気付かなければ、課金が繰り返されて高額になることがあります。
 トラブルを避けるため、①保護者のアカウントをログオフしてから使わせる ②子ども専用アカウントを作成し、保護者のアカウントで子どものアカウントを管理する「ペアレンタルコントロール機能」を利用する ③決済時の承認(パスワード、指紋認証、顔認証など)の設定を行う――。などが有効です。その上で、子どもと一緒に課金の仕組みを確認し、スマホの使い方やお金の価値についても家庭でよく話し合いましょう。家庭内でスマホ利用のルールを決めることも重要です。
 未成年者が保護者の同意なく契約した場合は、原則取り消すことが可能です。困ったときは消費生活センターに相談してください。