ほっと一息
2025.11.04
農と歳時記 大雪・針供養・冬至
JA広報通信2025年11月号
和文化講師●滝井ひかる
大雪・針供養(たいせつ・はりくよう 2025年は12月7日・12月8日)
 二十四節気の大雪は、いよいよ雪が降りだす頃。本格的な冬の到来に備えます。かつては雪で閉ざされた農閑期に、収穫が終わった稲わらから1年分の家族のわらじや俵を編んだそうです。特にこの時期は新わらからお正月のしめ縄を作り、縫い物にも精を出しました。
 12月8日は、針供養の日。普段、硬いものを縫って折れたり曲がったりした針を、軟らかい豆腐やこんにゃくに刺して供養します。この日は「御事納め(おことおさめ)」といい、収穫作業を終えた農具を片付ける日でもあります。

冬至(とうじ 2025年は12月22日)
 二十四節気の冬至は、一年で最も昼が短い日です。
 冬至の夜にはゆず湯に入ります。香りで邪気をはらい、一年無病息災でいられると信じられています。
 また、冬至にカボチャを食べると風邪をひかないといわれています。夏に収穫したカボチャは、冬の貴重なビタミン源として貯蔵されます。「運の七つ盛り」といって、カボチャ(南京〈なんきん〉)・ダイコン・ニンジン・レンコン・こんにゃく・昆布・うどんなど七つの「ん」が入ったものをいただきます。
 カボチャと小豆の「いとこ煮」や、小豆がゆをいただく風習もあります。小豆の赤色が厄をはらうといわれています。



