ほっと一息

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2025.08.15

お天気カレンダー

JA広報通信2025年8月号

気象予報士●檜山靖洋

暑さは彼岸までに収まるか

 

 「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があります。2025年は9月20日が彼岸入りで、9月26日が彼岸明けとなります。気象情報の中でも、この言葉を使って季節の解説をよくします。実際の季節の移り変わりに、よく当てはまる言葉だなと思っていました。秋の彼岸の時期を過ぎると厳しい暑さが収まることが多いです。
 ところが、近年はどうでしょう。9月の彼岸を過ぎた後の10月に、最高気温25度以上の夏日がどれだけあるかを調べました。東京では、10月の1カ月間での夏日日数は、1975年から2004年までの30年間で平均して4・7日でした。それが1995年から2024年までの30年間では平均7・2日と増えています。2000年代以降は、10月に10日以上、夏日になる年も増えてきているのです。
 気候が変わってきて、季節の言葉が当てはまらなくなりつつあります。彼岸を過ぎても、まだまだ半袖の服の出番は多そうです。

 

 

気象予報士・防災士
檜山 靖洋(ひやま やすひろ)


1973年横浜市生まれ。
明治大学政治経済学部政治学科を卒業後、印刷会社に就職。
1999年に気象予報士を取得し気象会社へ転職。
2005年からNHKの気象キャスターに。
朝のニュース番組「おはよう日本」の気象情報に出演中。