ほっと一息
2025.07.21
みんなのネットリテラシー講座
JA広報通信2025年7月号
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子
警察官をかたる詐欺に注意!
警察官をかたる詐欺が多発しています。被害件数、被害額共に増加しており、特に30〜50代の被害者が増加中です。電話で捜査対象になっていることを伝えた後、LINEのビデオ通話などに誘導し、お金を振り込ませる詐欺です。その手口と対策についてご紹介します。
◎実在の警察署などの電話番号から詐欺の電話が……!?
詐欺の典型的パターンは次のようなものです。固定電話や携帯電話宛てに警察官を名乗り、「あなた名義の口座が犯罪に使われている」「あなたの携帯電話が不正に契約された」などと電話があり、その後、LINEのビデオ通話などに誘導されます。容疑がかかっている、口座を調査するなどと言って現金をだまし取ったり、振り込ませてお金をだまし取ったりする手口なのです。警察官役の犯人が偽の警察手帳や逮捕状を見せてくることもあります。
実在の警察署などの電話番号を装い、警察官をかたって信用させる手口が横行しています。これは発信者の電話番号を偽装する特殊詐欺の手口。営業パーソンなどが会社の代表番号を通知させて営業電話をかけるときなどに使われる技術を悪用したものです。かけてきた番号に折り返すこともやめましょう。
◎電話を切って警察相談専用電話に相談を
警察官は詐欺などの捜査対象となっていることを電話で連絡することもなければ、SNS(交流サイト)で連絡を取ってくることもありません。また、警察手帳や逮捕状の画像を送ることも、捜査などの名目で金銭を要求することもありません。このような電話がかかってきたら、名前と所属を聞いて電話を切り、すぐに警察相談専用電話(#9110)に相談してください。
詐欺事件は日々報道されており、このような記事やニュースを読むだけで、どのような被害が増えているかが分かります。情報を得ておくことで、このような電話がかかってきても慌てず対処ができ、被害に遭わずに済むはずです。
成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト
高橋 暁子(たかはし あきこ)
SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。