ほっと一息

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2025.07.11

おいしく食べて美しく

JA広報通信2025年7月号

栄養士●吉田理江

食欲不振対策で元気に美しく

 

 夏は暑さや湿度で食欲が落ちやすい季節です。暑くなると食欲不振になり、アイス、ゼリーなど冷たくて喉越しが良いものばかり食べていませんか? しかし、しっかり食べないと体力が落ちて、夏バテや体調不良の原因になります。今回は、夏の食欲不振対策にお薦めの栄養素などを三つご紹介します。

 

■ クルクミン
 クルクミンは、ウコン(ターメリック)に含まれる黄色の色素成分です。胆汁の分泌を促し、消化機能をサポートする働きもあるため、胃腸が弱りやすい夏場の食欲不振に対して効果が期待できます。また、抗酸化作用もあり、美肌づくりにもお薦めです。ターメリックライスや夏野菜のカレーなど、食欲をそそるメニューでクルクミンを取り入れてみましょう。

 

■ カリウム
 カリウムには、体内の余分な塩分を排出し水分バランスを整える働きがあります。汗とともに失われやすく、不足すると血流や代謝が滞り、むくみや倦怠(けんたい)感を感じたり、食欲が落ちやすくなったりするため、夏は積極的に取りましょう。キュウリ、トマト、スイカなどの水分が多い夏野菜や果物に多く含まれているため、摂取しやすいのが特長です。トマトとキュウリの塩もみサラダなどにすると、食欲がないときでもカリウムが取れます。

 

■ 亜鉛
 亜鉛は、味覚を正常に保つために欠かせない栄養素です。不足すると味を感じにくくなり、食欲が湧かない原因になります。また、肌や髪の健康維持にも深く関わっており、美しい肌や髪を保ちたい方にもお薦めです。カキ、牛肉、納豆、卵などに多く含まれており、納豆卵かけご飯なら料理が苦手な人でも手軽に亜鉛が取れます。

 

 夏の食欲不振は、栄養を少し意識するだけで軽減できることもあります。おいしく食べて、元気に美しく夏を過ごしたいですね。

 

 

栄養士・ダイエットコーチ
吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。