ほっと一息

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2025.05.10

おいしく食べて美しく

JA広報通信2025年5月号

栄養士●吉田理江

おいしく食べて梅雨うつ対策

 

 梅雨の時期は、気温や気圧の変化で自律神経が乱れやすくなります。結果、体調だけではなく、メンタルの不調を感じる方もいるのではないでしょうか。自律神経が乱れると「梅雨うつ」になりやすくなります。
 今回は梅雨うつ対策にお薦めの栄養素などを二つご紹介します。
■ 炭水化物
 肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などのタンパク質に含まれるアミノ酸の一種トリプトファンは、幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質のセロトニンの原料となります。米、パン、麺類などの炭水化物と一緒に取ると良いでしょう。脳内でのトリプトファンの合成が促進され、メンタルが安定する効果が期待できます。また、炭水化物はエネルギー源になる栄養素です。極端に抜いたり減らしたりすると疲れやすくなるため、毎食しっかり取るようにしましょう。お薦めの食べ合わせは、ご飯と納豆、パンとチーズです。炭水化物とタンパク質が一緒に取れて、忙しい朝も手軽に食べられます。
■ オメガ3脂肪酸
 青魚、あまに油、クルミなどに含まれるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA・α‒リノレン酸)は脳の働きをサポートしセロトニンの分泌を助けるため、梅雨うつ対策にお薦めです。普段魚を取っていない方は、意識して取ると良いでしょう。
 オメガ3脂肪酸は、細胞膜を強化し肌のバリア機能を向上させる働きがあるので美肌づくりには欠かせません。サラダにクルミをトッピングしたり、缶詰の魚を活用すると手軽にオメガ3脂肪酸が取れます。
 梅雨うつ対策には、食事も大切ですが、規則正しい生活、睡眠をしっかり取る、好きなことをしてストレスを解消することも大切です。

 

 

栄養士・ダイエットコーチ
吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。