ほっと一息

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2025.04.23

みんなのネットリテラシー講座

JA広報通信2025年4月号

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト●高橋暁子

 

極端な値引きセール広告、定期購入商法に注意

 

 SNS(会員制交流サイト)上での詐欺広告について解説します。
◎極端な値引きセール広告は疑って
 SNS上で、人気ブランドなどのセール広告を見かけたことがある人も多いでしょう。しかし、「9割引き」などの極端な値引きセールは詐欺の可能性が高いです。
 消費者庁によると、過去にヨギボーやフランフラン、コストコなどの人気ブランドをかたった広告や、百貨店の閉店セールをかたった広告などが報告されています。これらは詐欺サイトのため、クリック先で商品を購入しても商品は届かず、個人情報も詐取されてしまいます。
 公式サイトの写真やロゴを転用しており見た目では分からないことが多いですが、ブランド名などで検索すると、詐欺という警告が見つかるはずです。URLが公式サイトとは異なったり、メールや電話などの連絡先がなかったり、支払い手段が銀行振り込みやクレジットカードのみなどの限定的な場合は疑わしいです。極端な値引きの場合は決して信じず、個人情報を入力したり、商品を購入したりしないようにしてください。
◎定期購入商法詐欺に注意
 健康食品などが本来の料金より極端に安く販売されている広告を見かけたことはないでしょうか。
 注文すると、2回目以降は値段が非常に高額になり、しかも実は定期購入に申し込んだことになっており、数カ月間続けなければ解約できない、ということがあります。中には、2回目以降は高額になることや解約条件を小さな文字で注意書きとして入れていて、一読しただけでは気付きづらいようにしている定期購入商法詐欺も見られます。
 購入時の最終確認画面で、定期購入が条件になっていないか、継続期間や購入回数が決められていないか、支払う総額はいくらか、解約条件はどうなっているかなどを確認しましょう。
 万が一解約することも考えて、最終確認画面をスクリーンショットで保存しておくと安心ですね。

 

 

成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト 
高橋 暁子(たかはし あきこ)
SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」などテレビ出演多数。SNS関連の著書は20冊以上。