ほっと一息

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2025.03.05

おいしく食べて美しく

JA広報通信2025年3月号

栄養士●吉田理江

食べ物で春バテ対策

 季節の変わり目は、頭痛、胃もたれ、倦怠(けんたい)感など体調を崩しやすい時期です。特に春は、寒暖差が大きい時期で、異動や転勤など、生活環境や人間関係にも変化が起こりやすいため、心や体に不調を感じる人が多いといわれています。
 春バテ対策には自律神経を整えることが大切です。今回は、おいしく食べて春バテ対策ができる、お薦めの食品を二つご紹介します。

 

■ かんきつ「不知火」(デコポン)
 自律神経を整えるためには、腸内環境を整えることが必須です。幸せホルモンと呼ばれ、自律神経のバランスを整えるために必要なセロトニンは9割が腸で作られるからです。腸内環境を整えるためには、おなかの調子を整える働きがある食物繊維が豊富に含まれている食品を取ると良いでしょう。
 特にお薦めなのが今が旬のかんきつ「不知火」(デコポン)です。また、「不知火」にはメラニンの生成を抑える働きがあるビタミンCが豊富に含まれています。メラニンが過剰に生成されると、染み、そばかすの原因になるので美しい肌を保ちたい方にもお薦めです。食後や間食に「不知火」を食べると良いでしょう。

 

■ チーズ
 自律神経を整えるためには、セロトニンを増やす食品を取るのも大切です。セロトニンの合成に不可欠なトリプトファンを含む食品を取ると良いでしょう。
 忙しい朝でも手軽に取れるチーズには、トリプトファンが豊富に含まれています。そのまま食べるのも良いですが、野菜炒めや具だくさんのスープに入れると、食物繊維も一緒に取れるため、さらに自律神経を整える効果が期待できます。
 春バテに負けないために、3食ともバランスの良い食事を取ることも重要です。

 

 

栄養士・ダイエットコーチ
吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。