ほっと一息

ほっと一息

2025.02.03

私の食育日記

JA広報通信2025年2月号

食育インストラクター●岡村麻純

離乳食は食の世界を広げていくこと

 私の第3子も離乳食が始まりました。初めてだらけの世界にわが子も大興奮です。その中で彼なりに好きなもの・嫌いなものがあり、初めてのトマトには大喜びするも、小松菜には口を小さく閉じてしまいます。ミルクしか飲んでいなかった舌にも好みがあるのだなとほほ笑ましく見ています。

 

 離乳食を作るママの話を聞くと、「ご飯にひき肉を混ぜると食べてくれない」とか、「ネバネバしたものは食べないけど、どうしたら良いかな?」。そんな相談を受けます。でも私は、赤ちゃんにも好みがある、何でも全部おいしく食べなくても当然だ、と思っています。そもそも、離乳食とは子どもの食の世界を広げていくことができれば、それで良いと思っています。確かにペーストのものは食べるけど、少し粒にすると食べないので段階を進められないとか、野菜をまったく食べない、などの場合、この後、味や食感の種類を広げていくことが難しいので対策が必要です。しかし、ひき肉をご飯に混ぜると食べないけど、ひき肉をつくねにしたら食べる、カボチャは食べないけれどニンジンなら食べるなど、特定のものを食べないだけで、この先も食材を増やしていける好き嫌いならば、そこまで気にしなくて大丈夫だと思います。

 

 幼児食になっても、味を濃くしていくのではなく、食べられる食材を増やすことや、切り方や組み合わせを変えて、食感や味わいをできるだけ多種多様に広げていくことを目標にしていくと良いと思います。時々、食べるものが偏ってきていないかだけを確認しながら、親も無理せず、楽しく子どもの食事に向き合ってほしいと思います。

 

 食の世界を広げていく大切さは大人にも当てはまります。食生活が乱れてきたなと思ったら、野菜、タンパク質、糖質の三つを組み合わせつつ、肉や魚の種類、野菜の種類に変化をつけて、できるだけいろいろなものを食べる、これだけで健康的な食事に変わっていきます。

 

 

岡村 麻純(おかむら ますみ)
食育インストラクター
お茶の水女子大学食物科学講座卒業
大学では食育をテーマに研究
男女3児の母