ほっと一息

ほっと一息

2024.10.15

日本の「農」と「食」を学ぶ サツマイモ

JA広報通信2024年10月号

日本農業検定事務局

 

 サツマイモは、イモ類ヒルガオ科の野菜で、日本では鹿児島県・茨城県・千葉県などが主な生産地です。

 
 青果用の品種は東日本では「ベニアズマ」、西日本では高系14号系統の「鳴門金時」などが多く栽培されており、これらは甘みがあり、粉質でホクホクした食感が特徴ですが、最近は甘みが強く粘質でしっとり・ねっとりした「べにはるか」や鹿児島県種子島の在来品種である「安納いも」が焼き芋用として人気です。青果用の他に加工用、でんぷん用、焼酎用などにもいろいろな品種が利用されています。

 

問題
サツマイモの栽培についての説明で、正しいものは次のうちどれですか。
(1)サツマイモの植え付けは、芋づる苗(挿し穂)の元の方の節が1、2節だけ土の中に入るように植え付ける。
(2)サツマイモは、茎や葉が伸長した後に生育が止まり、その後芋の肥大が始まる。
(3)サツマイモの肥大には、窒素肥料とカリ肥料のバランスが重要で、カリの割合が多いと養分が芋の肥大に向けられる。
(4)サツマイモは乾燥に弱く、植え付け時やその後の生育にも十分な灌水(かんすい)が必要である。

 

 

解答:正解は(3)です。
解説:サツマイモは、芋づるの元の方の節が4、5節は土の中に入るよう植え付けます。
 生育では、茎や葉の伸長と芋の肥大が並行して進み、葉で作られた養分は芋の肥大と茎葉の伸長とで競合することになります。養分がどちらに供給されるかは、窒素肥料とカリ肥料のバランスが重要で、カリ肥料の割合が高いと芋の肥大に向けられ、窒素肥料の割合が高いと茎葉の伸長へ向けられます。
 サツマイモは土をあまり選ばず、乾燥と高温に強い野菜です。そのため、乾燥が続き、活着が心配されるとき以外は灌水の必要はありません。
『新版 日本の農と食を学ぶ 中級編』(95ページ)より

 

図 サツマイモの付き方

 

 

日本農業検定ホームページ